第2話:そりゃ自分の趣味優先でしょう。

「そ、そんな闇業者のキャラだったのか「ナール」ちゃんって・・・」


「どうだ?ブラックホール発生装置のデータを我々に渡せば実物のナールに会える

んだぞ・・・しかもおまえさえよかったら、このままナールをタダでくれてやっても

いいぞ」


「おまえら・・・卑怯だぞ・・・こんな取引に彼女を利用するなんて・・・」


「我々にとってもおまえにとっても、これは損な取引じゃないだろう?」

「考えてみろ・・・明日からナールと一緒に過ごせるんだぞ」

「一緒にご飯食べて、一緒に風呂に入って、同じベッドで眠れるなんておまえ

にとっては夢のような話だろう?」

「おまえの育て方次第でナールとアルファベット8番目だってできるかもしれ

ないんだぞ」


「ま、まじでか・・・アルファベット8番目ができるんだ・・・想像したら

恥ずかしい汁チビリそう」


「しかも、しか〜もだ・・・この中のナールは一糸まとわぬ姿、つまり

すっぽんぽんなのだ・・・だからゲームのとおり着せ替えだって楽めるぞ」


「うそ、裸?・・・まじでか・・・僕の好きな衣装を着せられるのか?」

「むむむ・・・どうしよう・・・」


立照たつてるはしばらく迷ったふりをした・・・・実は、はなっからナール

が欲しくてとっくに SUBとの交換を決めていた。


「よし分かった・・・いいだろう、ナールちゃんをもらうって条件を飲んで

ブラックホール発生装置の設計図が入ったUSBをおまえらに渡す」


「おお、そうか・・・そうではなくては、悪い条件じゃないだろ?」

「ではUSBを渡してもらおう」


「いやいやナールちゃんが先だ・・・うかつにUSBを渡して箱の中が空っぽって

ことだってあるからな」


「ふん、用心深いやつだな・・・分かった、じゃ〜ナールを先にくれてやる」


「おい、おまえら箱を開けろ〜」


雑魚キャラたちが箱のリボンを解くと箱がパカーンと両サイドに開くとそこに

|茲亜 ナール本人が立っていた。


「お〜本物のナールちゃんだ・・・しかもやつらが言ったとおり、

すっぽんぽんじゃないか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」


「やほほ〜い・・・誰?・・・ん?誰が私にハグして欲しいの?」

「そこにいるお兄さん?」


そう言うとナールは立照たつてるに走り寄って来て思い切りダイブした・・・そして立照に、

しがみついた。


いわゆる「だいしゅきホールド」ってやつ。


※「だいしゅきホールド」ってのは女性が男性の腰周りを両足で抱え込みロックする体勢のこと。


いきなりだったから身構える間も無く立照たつてるはナールを抱いまま後ろにぶっ倒れて

脳シントウを起こすくらいゴチン!!って頭を打って目からキラ星がほとばしった。


「今日から、お世話になります・・・ナールだびょ〜ん・・・えと・・」


ナールはあんたは誰?っていうようなハテナ顔をした。


「あ、亜素古賀 立照あそこが たつてる・・・・当年とって25歳です」


「うん、分かった、よろしくねタッちゃん」


「タ、タッちゃん?・・・・めちゃテンションたかいしフレンドリーじゃん」

奈留なる」ちゃんってこんなキャラだっけ?」

「あのさ・・・くっつきそうなくらい、めっちゃ顔が近いんだけど、チューしちゃ

いそうだよ」


そう言うとナールは立照のクチビルにチュってキスした。


「ついでだからね」


「亜素古賀博士もういいだろう・・・とっととUSBを渡してもらおうか」


「ちょっとラブラブするのは後にしてくれる?奈留ちゃん」


そう言うと立照はUSBが入ったケースを幹部の男に投げ渡した。


「これで取引は成立だ・・・おまえは自分の私利私欲のために人類の運命を

我々に売ったのだ」

「生きてるうちに、その女とせいぜい楽しむことだな」


そう言って秘密結社バッド・ピーポーはとっとと引き上げて行った。

え〜USBの中身確かめんのかい。


あ〜あ、立照はフードル・茲亜ここあ ナールが欲しいがために人類の命運を

かけたブラックホール発生装置のデータを闇組織に渡してしまった。


どうなる人類・・・だけど立照はナールにホールドされたまま恥ずかしい

汁をチビっていた。


とぅ〜び〜こんて乳。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る