第五章 雪梅(シュエメイ)の物語 未開発世界軍事監視官

赴任


 惑星ヴィーナスにある軍事大学校、ここの未開発世界軍事監視官育成コースの第一期生が巣立ちました。

 さらにプラネテスの惑星ジャーリアのカラミティ航空宇宙軍での研修を受けた者が正式に未開発世界軍事監視官に任官します。

 最優秀の評価を受けた雪梅(シュエメイ)さんは、任官後、ミリタリー・オフィスのハウスバトラー、ガブリエルさんから呼び出されました。


* * * * *


 雪梅(シュエメイ)さんは『格子』ではありますが、本人の希望でミリタリー統合軍事大学校に入校、軍事監視官育成コースの第一期生として卒業しました。

 そして先ごろプラネテスの惑星ジャーリアのカラミティ航空宇宙軍での研修を受けたのです。

 研修評価は最優秀、未開発世界軍事監視官任官の内示がでました。


 雪梅さんはかなり長身で、足は長くそれなりに美しい二十八歳、髪はショートで引き締まった体をしています。

 『格子』ではあるのですが、凄腕の猟師である雪梅さんは戦う事が性に合っているようで、軍事監視官育成コースの話を小耳にはさむと、王母娘娘に願い出たのです。


「雪梅、未開発世界軍事監視官に任じる、この後、ミリタリーオフィスに出向き、命令を受けるように」

 惑星世界管理局に出頭、山下藤子局長から云われました。


 ミリタリーオフィスではガブリエルさんから次の命令を受けました。

「カレワラ・オフィスが敷設していたティアマト軽便鉄道線の完工検査を命じる、問題なければ引継ぎを受けよ」


「拝命いたしました!」と雪梅さん。


 儀式ばった命令受領も終わり、顔をやわらげたガブリエルさんが、

「未開発世界軍事監視官任官おめでとう、貴官は『格子』、またミリタリー統合軍事大学校やカラミティ航空宇宙軍での研修での評価は最優秀、ヴィーナス様お手製のボディアーマーも所持とのこと」

「大いに期待している」


 『ベティ・プラネテス・セット』を勧めながら祝辞を述べています。


 しばらくして雪梅(シュエメイ)さんはレイルロード第三本線の貨物鉄道停車ステーション、テュレーニア・ステーションに佇んでいました。

 トライアングル結合の拡大シェルターステーションが接舷しています。


 雪梅さんはティアマト軽便鉄道線保安司令部に出頭、カレワラ・オフィスの三人に挨拶をしています。

「今度未開発世界軍事監視官になりました、中原ホーム・西岳崋山白雲宮所属の雪梅(シュエメイ)です」


 ロウヒさんが、

「ガブリエル様より聞いております、私はこのカレワラ・オフィスの先任、ロウヒ、こちらはアイノ、そしてキュッリッキです」


 ウイッチは位がすべてに優先します。

 四人とも格子ではありますが、雪梅(シュエメイ)さんのほうが先に昇格なのでいささか上官にはなりますが、丁寧に言葉を選んでいる雪梅(シュエメイ)さんです。


「現状をお聞きしてもよろしいですか」と雪梅さん。


 ロウヒさんが、

「そうですね、このティアマト軽便鉄道線保安司令部があるテュレーニア・ステーションは、ユニバース管轄ではあるが移動端末のホルト1はプラネテスと兼務となっている」


「ティアマト軽便鉄道線保安司令部が撤収しても、ホルト1がティアマト軽便鉄道線の維持管理をすることになっている」

「現状はこちらのホルト1に報告させましょう」

 うなずいた雪梅さん。


 ホルト1が、

「ホルト1です、このホールトの管理コンピューターですが、ティアマト軽便鉄道線保安司令部の指揮下にあります」


 この後、ホルト1によるティアマト軽便鉄道線の現状説明がありました。


 雪梅さんが、

「ご説明を聞く限り、取り立てて問題はなさそうですね、明日から順次、ティアマト軽便鉄道線の簡易プラットホーム一か所、三級ポイント二十七か所、二級ポイント九か所、一級ポイント一か所、終着の標準プラットホームまで完工チェックをさせていただきます」

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