戦闘報告
半年後、
「軽便鉄道ティアマト線敷設完了報告に参りました」
ミリタリー・オフィスにロウヒが出頭、完了報告しています。
ガブリエルさんが、
「ご苦労様、予定通りに終わったようね、なにか武力紛争があったようね」
「惑星アイオリスの全面核戦争以前の遺物が稼働しており、モニターを攻撃して来ました」
「聞いているわ、ティアマト軽便鉄道線保安司令部で対処するように命じましたものね」
「事後報告でいいので、ざっとしたところを、カレワラ・オフィスとして報告書にまとめてね♪ホルト1に書かせてはだめよ♪」
「……」
「ちゃんとした報告書を書いてくれないと、貴女たちを昇進させられないのよ」
「昇進ですか……」
「そうよ、惑星アイオリスについての報告はホルト1が書いたのでしょう?アマテラス様が格子昇格について打診したところ、ハウスキーパー事務局がそこを問題にしてね」
「とこかく報告書を自前で書いてほしいそうよ」
「……」
「一応内定はしているのよ、でもね、事務報告ぐらいはできなくてはね♪なんせ一応『百合の会議』にあげるのだから」
「3人とも二度散茶だけど献上品ではないでしょう?」
「ハウスキーパー事務局もそのあたりは理解しているのよ、だから形だけでも出してほしいそうよ、苦手なのはわかっているけど頑張ってね♪」
「……」
ロウヒが持って帰ったこの話で、
カレワラ・オフィスはため息が満ち満ちています。
アイノさんが、
「格子昇格はうれしいが……報告書なんて……苦手で……」
「しかし書けという命令だ……」
で何とか書き上げたのが次の報告書……
ティアマト軽便鉄道線敷設時におけるローカル紛争についての報告
ティアマト軽便鉄道線敷設時において、一級世界である惑星アイオリス近辺で、人工知能による破壊活動が起こった。
原因は惑星アイオリスにおける全面核戦争以前の文明による、防衛システムが稼働しており、それによるレーザー砲、および人工衛星に慣性質量攻撃を受けた。
ホルト1が防衛戦闘を指揮し、配属されていたバリア展開衛星のラムスデンが反応、直接の被害は受けなかった。
すぐに『バッテリー・トレーラー』を中心に『ランチ』二隻、『シュヴァルム・トレーラー』一隻、『ラムスデン』一隻、『モニター』一隻を連結したモニター五隻による『拡大警備モニター』を編成。
『モニター』の人工知能に指揮権を与えて、惑星アイオリスの衛星の裏側にある敵根拠地を攻撃、モニターの太陽光(直接)励起レーザーで何事もなくこれを殲滅した。
その後、『シュヴァルム・トレーラー』搭載の天山宇宙戦闘艇で敵人工衛星を掃討した。
ティアマト軽便鉄道線保安司令部
これを受けたガブリエルさん。
「なんとも……言葉もない……あきれるばかりだな……」
アマテラスさんも、この報告を読み、
「新米の報告書か?3人ともプリミ・オルディネス(上級百人隊長)だよな……これではケントゥリオン(百人隊長)、いやデクリオン(十人隊長)の報告ではないか……」
「戦闘報告なのだから、もう少し詳しく書けないのか?せめて、今後の戦闘に役立つ意見などつけられないのか……」
「この報告が三軍統合幕僚部に上がるのか?笑いものになるぞ……」
ガブリエルさんが、
「しかし、なんでもいいから報告書を書けと命じましたし、ハウスキーパー事務局も内容は問わないといっております」
「仕方ない、三軍統合幕僚部に回そう……しかし、なんとも恥ずかしい……」
事実、三軍統合幕僚部ではかなり笑われたアマテラスさんでした。
ハウスキーパー事務局でも失笑を買いましたが、根回し済みなので百合の会議もすんなり通り、3人は目出度く格子に昇格。
カレワラ・オフィスの3人は、ガブリエルさんにかなり絞られましたが格子昇格を伝達されました。
「これでヴィーナス様との夜伽の順番が回ってくるわ♪」
「ねえねえロウヒ、ヴィーナス様におしっこのところを責められたと聞いたけど、どうだったの?格子になればあんなところを捧げるの♪」
「おしっこのところというよりカリナね♪」
「カリナ?」
「おしっこの場所の下からあそこの間の場所よ♪ヴィーナス様ったら、あんなところを嘗めるのよ♪」
「いゃー♪で、どうなの♪♪♪」
「すごく感じるのよ♪まあ、今度ね、お願いすればいいわ♪」
「ねえ、こんど3人で夜伽をシェアしない♪」
「いいわね♪ロウヒ、そうしましょうよ♪」
「そうね♪3人で足を広げて……いけない!想像するとショーツがビショになるわ♪♪」
なぜかこの手の話になると若い娘のようなピンクに会話になり、黄色い声が乱れ飛ぶカレワラ・オフィスです。
FIN
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