夜空に花を

東風雨

プロローグ こびりついた夕日

 その日の夕日は、特別綺麗なわけではなかった。通りすがった誰かが、ちらっと空を見て、それきり忘れてしまうような平凡な風景だった。


しかし、俺の心には深く残ってしまった。


とてつもなく苦い記憶と共に。

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