第7話

人は死が近い。

人間じゃない私にとってもそんぐらいのことくらい知っている。

でもあのとき後悔した。

「たった5年一緒に過ごしただけだし!」

なのになのにどうしてこの人たちのことこんなにもいっぱいに考えてんの。


あれから2週間が経った。

社長に呼び出されたので私は学校帰りに事務所による。

「なんですか?呼び出しって。」

「ええ、それがねアメリカの撮影に行くのは2カ月後に決まったのよ。」

「2カ月後ですか………」

中途半端な時期。しかも……。

「大丈夫?」

黙り込んでしまった私に社長は心配したのか覗き込んでくる

「ええ。分かりました。大丈夫です。」

その言葉を私は頷いた。

「良かった!それなら伝えておくわ。」

今日は疲れたな〰。

「ただいまーっ」

私はカレンダーを見た。

アメリカ行くのはあのとき以来だろうか。

2カ月後……。

こっちでは夏休みの時期だ。

社長たちもこの休みの時期がちょうどいいと思ってくれただろうか。

8/20両親の命日。兄たちが行方不明になった日でもあった。

その夜は夢だ。

『いいなー。早退とかできて』

『早退できるなら俺も休みてーな。』

『ただ可愛いってだけでほんとずるい』

分かってる。そんぐらいのことくらい。

頑張れば頑張るほど、

上達すればするほど、

恨みも嫉妬も悪口もアンチも増えてくるってことぐらい。。

はっと起き上がる。夢か

いや、夢じゃない。これは実にあったことだった。

廊下を歩いてリビングに行くと

「お姉ちゃんどうしたの?大丈夫?」

起きてたのか心配そうに見てくるせい

「あ、ううん。大丈夫。それよりあなたたちは寝てないと」

でも、海外行くとなるとこの子たちを置いていくわけにはいかないんだよね。

アメリカデビューまであと100日。

まさか思わぬ出会いがあるなんて思ってもみなかったんだ

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