頭髪検査

親善グミ

前編

いつもの朝支度に、「いつも」ではない行動が一つ。

不機嫌な顔を戻しながら、ハサミを用意し、前髪を切る。

チョキ、チョキという音につられ、目の上から下に、髪が落ちて行く。

普段は眉と目の間にある前髪を少しずつ切っていく。

「まじで最悪。」

頭髪検査という悪しき風習が現代日本にあることが、不思議でならない。

先生曰く、『校則は生徒のプライベートにまで影響を与えない。』らしいが、

そんなことは無い。死ぬほど影響を与えている。

そもそも、いまだに{ツーブロック禁止}が記載されているうちの学校の校則は、

都会の学校。ひいては現代社会に遅れているのではないか。

やはり、田舎の学校は、凝り固まった価値観からの脱却は難しい。

そんな不満をこぼしながら学校へ向かう準備を終え、家を出た。


《中略》


6時間目までの授業を終え、頭髪検査の時間となった。

学年全員が体育館に集められ、クラスごとに検査されていく。

あともうすこしで、私のクラスの頭髪検査の順番がやってくる。

クラスメイト達はお互い、自分の髪型がセーフかアウトかを確認している。

「ねえ。私の髪型、セーフかな?」

かく言う私も、友達に声をかける。今更ではあるが、確認せずにはいられない。

「うーん…まあ、ぎりセーフ…?かな。判定甘い先生なら、大丈夫だと思う。」

「ありがと。なら、厳しい先生に当たんないように祈ってるわ。」

私自身がギリギリを攻めた切り方をしているので、予想道理の反応だった。

その時に、私のクラスの頭髪検査の順番が回ってきた。

「やっぱり面倒だな。」と思いながら、自分の順番が来るのを待つ。


『次の人。来てください。』

私の番がやってきた。

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