呪い病 スマホ用ショート連続ホラー
宝力黎
第1話 落ちた
夕暮れの校内に突然衝撃音が響いた。それと同時にガラスが激しく割れる音が聞こえ、間髪を入れずに悲鳴が上がった。
「今のなに?」
私立・恒常学園高校グラウンドで部活動中だった生徒達が互いに駆け寄って手を握り、不安げに悲鳴の聞こえた校舎方向を見ている。
花壇の手入れをしていた生物部の数人が、手に〈じょうろ〉や小型のスコップを持ったまま校舎裏手の中庭へと走って行くのが見えた。そしてまた悲鳴が数度と大人の怒声が聞こえてきた。
グラウンドに居た指導教員も生徒も全員が中庭を目掛けて走った。何があったのか見たいと言うよりも、そこに一人で残ることが怖かったからだ。
中庭は悲鳴と泣き声、「戻れ!見るな!」という教師の声で騒然としていた。すでに人垣は本校舎の縁にある小さな温室を取り囲むように出来ていた。
その人垣の最後尾に友人でブラスバンドの笠井美鳥の姿を見つけ、恵谷観(えやみ)白南風は声を掛けた。
「なにがあったの!」
振り返った美鳥は蒼白な顔で首を横に振った。
「わかんない!でも、落ちたみたい…」
「落ちた?え?まさか!」
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