28話:語られる『計画』!語られる『別離』!
『何か』は、スターシャドウと名乗った。
どこかで聞いた気がするけど……。
「スターシャドウ!?お嬢様プロレス歴代覇者の1人である、あのスターシャドウですか!?」
メイヤさんがその名前に食い付いた。
そうだ、メイヤさんと最初に会った時に聞いた名前だ。
「人間……では、ないのですか!?」
続けてユニエも彼女?に問う。
「人間じゃ。今だけは、そうでもないがな」
意味を理解しかねる回答に、私含め皆が困惑している。
「
「悪魔!?そんなものがいるわけ……」
「他に妾のこの姿に説明がつけられるのか?」
「う……」
魔法や召喚というものが存在するこの世界においても、悪魔の存在はおとぎ話のようなもの。
以前ユニエがそんな事を言っていたのを私は憶えている。
「妾のお嬢様プロレス覇者としての名など、今となってはカビの生えた
突然、スターシャドウは『身の上話』を始めた。
「しかし、妾の祈りはどうやら天ではなく地の底に届いたらしい」
「……どうやって悪魔を呼び出したってーの?」
アーシが疑問を投げかけた。
「妾が呼んだわけではない、たまたま出会ったんじゃ。召喚をしたまま、聖水の儀式も
「『リングの中には天使と悪魔が潜む』……。何かの
「どうもそうだったらしいのう。悪魔は妾の望みを叶える計画を立ててやると言ってくれたのじゃ。契約によって、な」
「計画……!そこに、私も含まれていたってワケか!」
「そうとも!中山田マト!お前が今入っている身体を作ったのは、誰でもないこの妾と悪魔の力だ!」
!!!!!
「ソヴェラ姉様に
「なあに、口にすれば簡単なことよ。まずソヴェラに取り
な、なんて……!
「なんつーか、セコすぎる計画っしょ……!」
「くくく、なんとでも言え!」
「……わかりません」
「何がじゃ」
「ただ覇者としての栄光を望むだけなら、作った肉体に、スターシャドウ様本人が入って、アレグリッター姉妹を打倒すれば良いだけのはずです。なぜマト様を巻き込んだのですか?」
ユニエの疑問。
……確かにそうだ。
なぜ私は
異世界の人間を引き込んでまでやりたかったことは、いったい……
「めんどい」
……?
「めんどい、とは?」
「言葉通りの意味じゃ、めんどくさいから他人にやらせた」
………はあ????
「何がおかしいやら。利口な人間なら、やりたくない事はやらないようにするものじゃろうが」
そんな、そんな理由で……。
「かつての覇者だった方の言葉とは思えません!」
「……??プロレスは、名声とカネを得る手段。それ以外にあるか?」
こ、こいつ……!
「そうそう!めんどくさいと言えば、ソヴェラの妹どもが性根の腐った奴らばかりで助かったのう!悪評を自発的に広めるのもそれはそれで面倒じゃったからなあ!あいつらを野放しにしたら勝手に悪評広めて!おかげで楽出来たわ!!カカカカ!!!」
スターシャドウがアーシの方を向き、ざまあみろと言わんばかりの優越感バリバリの笑顔を見せる。
「悪評を広めなくとも、覇者の栄光は……」
「何を言うとる?どうせ覇者になるなら、ただの覇者ではなく、悪を倒した英雄として扱われたいじゃろう?う~っ、英雄!その響きだけでワクワクするのう!!!」
「そんな事のために、あんな暴虐を振り撒いて……!」
「妾だって今まで色々苦しんできた。他の奴も苦しまなきゃ不公平というもんじゃろ」
外道!!!!!!
こんな奴に、身体を渡すわけにはいかない!
私は再度、戦闘体勢に入った。
「待て待て話をもう少し聞けい。でないと、なぜ妾が計画をベラベラと話したのか分からなくなってしまうではないか」
……いますぐ殴りかかりたい所だったけど、たしかに計画を喋った理由も知りたい。
「さっき、今の中山田マトの身体は、妾と悪魔の力で作ったと言ったが、正確に言えば『契約』によって作られたものじゃ」
「悪魔の取引に応じたのですか……!」
「悪魔は契約の対価として、妾に常勝と暴虐を捧げろと言った」
今までの暴虐ぶりは、悪魔への捧げ物でもあったわけだ!
「ではもし、もしも!万が一!妾が負け、常勝が崩れた場合。契約によって作られたお前の身体はどうなると思う?中山田マト……」
最悪の予感が脳内に生まれてくる。
「……ま、さか……」
「そう、契約は破棄され、お前の肉体は……消滅する!!」
!!!!!!
「安心しろ、死ぬ訳ではない。魂は元々の世界へと
な、なんだ、そうなのか。
いやでも、何故そんなことを親切に……。
「で、じゃ。妾が勝ったらそれはそれ、中山田マトから肉体を奪い、やはりお前の魂は元々の世界に還る……理解(わか)るか?中山田マト」
!?
それって、つまり、結局は……!
「そう……お前が勝とうが負けようが、この闘いを最期に、お前はこの世界から消える!!」
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