アライグマのあらいさん
心乃葉 叶織
第1話
これは、私の隣人とのお話である。
私のアパートの隣人は…
『アライグマのあらいさん。』
名前の通り、アライグマなのだ。
それも、着ぐるみサイズのアライグマ。
もちろん、きっと、いや、多分人間が中に入ってると思う。けど、とにかくアライグマなのだ。
「いや、アライグマ…?せめてレッサーパンダとかならわかる。あと…猫とかさぁ?ウサギでもいいかも……。
じゃなくて!
アライグマって…
アライグマって なんだよぉぉ!」
時を遡ること1週間前。
私、
ただ、就職先が中々見つからずやっと内定を貰えたのは「動物園の飼育員」だった。しかも、内定が貰えたのは2月の初め…。
もちろん、住む場所も決まっていなかった。
そこで、私の親戚の叔母さんが管理しているアパートにちょうど空きができ、そこにお世話になる事になったのだ。
そして今日は、借りる前に話したいことがあると叔母さんから呼び出されていた。
「こんにちは!ひとみ叔母さん。」
「おぉ〜咲希ちゃん!大きくなってぇ。」
「えへへへ。叔母さんも相変わらず元気そうで良かったです〜。」
「いやぁ元気だけが取り柄だからねぇ。」
「ところで叔母さん。アパートを借りる前に話しておきたいことって何ですか?」
「あっ、そうそう。その…実は。咲希ちゃんが借りる予定の部屋のお隣さんがね。 ちょっと変わった人というか、動物というか。」
「変わった…人、ならまだしも動物?!ですか?」
「そうなのよ。でも、会ったら挨拶してくれるし、料理は上手だし、いい人なんだけど。先に言っておいた方がいいと思ってね?」
「わ、かりました。まぁでも、仕事の都合上あまり家にいる事はないので大丈夫ですよ。」
「そう?ならいいけど…私も管理者という立場だから、なにかあったらすぐ言ってね。」
「はい。ありがとうございます。」
「じゃあ先に鍵渡しとくわね。」
「ありがとうございます。」
そして、私は叔母さんから鍵をもらって、契約成立?したのであった。
「にしても…変な動物って…。ペットでも飼ってるのかな?」
私はこの時『ペット』だと思い。
スマホで調べていた。
「えっ、姉貴、ペット飼うの?」
「うわっ!急に後から話しかけないでよ。びっくりするじゃない。」
こいつは弟の
超絶!生意気の高校2年生だ。
「うるせぇ。ペット飼うのなんて姉貴には無理無理。やめとけぇ〜。」
「違いますー。どんな動物か調べてただけです〜。」
「ふ〜ん。まぁどっちにしても姉貴には無理だねぇ。生活習慣乱れまくりだもんなぁ。」
「なんだとぉ?」
「はいはい。口喧嘩はストップ。咲希、あんた荷造りは?」
「あっ、ヤッベ。」
「智希も、イチイチお姉ちゃんにちょっかいかけない!」
「チッ…」
「ほら。2人ともいったいった。」
「「はーい」」
「たっく…。」
こうやっていつもお母さんが仲介してくれる。
けど…
これももうすぐ終わりなのか。
ってなに寂しがってんの。私!
そんなこんなであっという間に1週間は過ぎていき。等々出発の時。
「咲希〜そろそろ準備しないと置いてくわよ」
「………。ぅ〜。」
「はぁ…ったく。智希、お姉ちゃん起こしてきて。」
「んだよ!俺は目覚まし時計じゃないっての!
おい!クソ姉貴!入るぞ。」
「あっおはよ。智希。」
「………。
うぁあああ!あの寝坊助が…お、起きてる!
夢か?
いや、現実。
じゃあ俺死ぬの?」
「なにごちゃごちゃ言ってるのよ。あのね、いくら寝坊助でも起きるときは起きますよ〜だあ。」
「し、信じられねぇ。俺は、俺は信じねぇー!!!」
そう言いながら智希は階段を降りていった。
「あれ?」
そんなこんなで私は実家を出発した。
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