賢者のポンコツ召喚記―神様やめてまで召喚したのに、こいつらは...

碧琉護

エピローグ ポンコツ神様の決意

私は、神様。落ちこぼれ。独りぼっち。引きこもり。


唯一の楽しみは、とある島を覗くこと。

この島が属する世界のハンドブックは1万回読んだ。暗記した。

ハンドブックの情報を補完する、『詳説 島図鑑』も作った。

豊富なスケッチ図が自慢の一冊である。私だけの愛読書となった。


ずっとこの島を覗き込んでいた。最大限にズームして。毎日、毎日。


このモニター越しの世界。私の全て。


「ウィン ウィン ウィン」突然アラーム音が鳴り響く。


魔王襲来まであと一か月。モニターに警告文が浮かんだ。


島に危険が迫っている。


しかし、私は、神様。下界に干渉はできない。そういうルールだ。


だから私は、神様をやめることにした。


島を救う。そう決意して、初めて下界に降り立った。

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