第8話

「スゲー………絶対嫌がって誰一人として断固触らせなかったあの小川が…こうも簡単に触らせてる……」


「しかも…なに?すずちゃんを見るあのにやけた顔!」


「「すずちゃん、すごいっっ!!」」


すごい?

……私が??

うーん……


「いえいえっ!『すごい』のは小川先輩の人気です!朝から人間様はもちろん、用務員さんのワンちゃんまでもが『うー、ワンワン!』ってものすごーく吠えてたんです!!お犬様にも大人気なんです!!!」


私はその時の事を思い出していたので高田先輩とミナ先輩の会話は耳に入っていなかった。






*その時の2人の会話


「『お犬様にも大人気?』…それは余りにも煩い人間の騒いでる声に反応して、威嚇で吠えてたんじゃねーの?」


バシッ


「ってー!何すんだよ、ミナ!」


「いいから、キミは黙ってなさいっ!すずちゃん、かわいいから何でも良いの!」


「……ま、まあな…」

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