第4話 土壌は耕された
エリアSで三十代は長嶺一人。その上は四十代と皆、年上で、長嶺は井原にお小言を言われるたびに自分より年下の夏樹や夏樹と一緒にいる雅に愚痴をこぼし、二人に慰められていた。夏樹と雅は二十二歳と長嶺より十六歳若い。井原は長嶺より十七歳年上の五十五歳。国営農場で働く人のほとんどが五十代、六十代が中心。それだけに井原と同年代の年上にはどこか話しかけにくい。話すのなら自分より年下でエリアSの中心世代ではない夏樹や雅に話しかけていた。
しかし、一人だけ自分より年上でも話しやすく、内心、少し頼りにしている人物がいた。
砂田である。
砂田淳、五十二歳。
長嶺より十四歳年上だが、長嶺が井原に説教されているのを見かけると、決まって砂田が入って来た。その入り方は実に絶妙で砂田は小男だが、その小男ゆえの長所を生かしているというのか、さりげなく、自然に場に入るのが上手い。まずは説教している人の言い分を黙って聞く。そして、一通り聞いて強く頷いて理解を示す。理解を示したうえで井原の面子を潰さぬように長嶺を擁護した。
「井原さんの言うこともわかります。兼松さんももうすぐ退職されるし、井原さんが急ぐのもわかります。でも、長嶺君もここへきてまだ日が浅い。もう少し大目に見てあげてもいいんじゃないかな。長嶺君の努力は自分にも重々伝わっていますよ」
井原も砂田にそう言われると、それ以上、何も言わなくなる。
砂田は長嶺にも井原がいないところで、「長嶺君はうまくやっているよ。少しずつ、少しずつ慣れていけば大丈夫だから」と励ます。
長嶺はその言葉に救われ、「ほんと砂田さんがいなかったら、井原さんと揉めていたかもしれません。ほんと助かります」と砂田に感謝する。
「何かあったら、俺が助けてあげるから。俺に任せて」
そう、長嶺にとって砂田はとてもいい人にしか見えない。砂田は人の心に自然に入ることに長けているのだ。長嶺は夏樹や雅たちに言っていた愚痴を段々、砂田に言うようになり、悩みを打ち明けられるほどの仲になっていった。
「兼松さんが退職したら、井原さんがそのまま事務官として僕の補佐役になるんですよね。それ考えるとなんか憂鬱です……」
「大丈夫だよ。心配することない。もし何かあったら、それとなく俺が井原さんに言ってあげるから」
「ありがとうございます。でも、いっそ砂田さんが事務官として僕の補佐役になってくれればいいのに」
「冗談でも、そう言ってくれるのは嬉しいよ」
「いや、本当です」
「まぁ、俺もエリアの仕事は大体把握しているから、やれと言われればやれないことはないけど。でも、井原さんがいるから」
長嶺は憂鬱そうな顔をして、
「ああ。なんとかならないですかね」
「そんなに嫌?」
「嫌ですね。重箱を隅をつつくように些細なことを何度も注意してきたり、正直、楽しくないです。僕のことを注意するのが好きなのか、それとも年下だから言いやすいのか、もう辟易してます。それにいつも最後に決まって言うです。労働意欲なくして生産性向上なしって。些細なミスでも人の労働意欲が失せるきっかけになるから注意しなさいって」
「労働意欲うんぬんは井原さんの口癖だから」砂田は苦笑する。
「でも、生産性を問わないのが国営農場の理念でしょ。なんか理念と食い違ってるのも好きじゃないし」
「まぁ、確かに。俺も生産性向上はちょっと違うんじゃないかな、とは思っていたけど」
「でしょう」
「まぁ、井原さんは元気に働けるとが健康の秘訣という人だから」
「でも、このままだと、兼松さんが退職したら、井原さんと僕が事務所で二人っきりになるんですよね」
「そうだね」
「じゃぁ、僕は井原さんが定年するまで井原さんにいびられ続けるんですか!?」
「そんなことないよ。大丈夫だよ。お互い慣れてくれば上手くやれるよ」
「無理です。もう十分です。わかってます! お互い相性が悪いって」
砂田は苦笑する。
「ほんと砂田さん。どうにかなりませんか?」
「そうだなぁ~。まぁ、なんともならないってことはないかもしれないけど」
「え、ほんとですか! なんとかなるんですか!?」
「いや、なるかどうかはかわからないけど、前に井原さんが言っていたことがあって、そこをうまくつけば、もしかしたら長嶺君がやりやすい方向へ持っていくことが出来るかもしれないかなって」
「本当ですか! そんなこと出来るんですか!?」
「いや、出来るかどうか約束は出来ないけど、もしうまくいけば、なんとかなるかもしれないってこと」
「なら、なんとかしてください! お願いします!」
「いや、そんなに当てにされても」砂田は苦笑する。
「いいえ、当てにします。ぜひお願いします」長嶺は力強く砂田に訴え、頭を下げた。
「いや、参ったな……」砂田は言葉では困って見せるも、満更でない顔をしていた。
砂田は長嶺に親身になって相談にのる一方で井原にも同様の態度を取った。砂田は井原とエリアセンターに併設してある事務所の前で二人きりになれるのを見計らってさりげなく長嶺の話題を切り出した。
「兼松さんが退職するから、一日も早く長嶺君にエリアマネージャーとしてしっかりしてもらいたいという井原さんの気持ちはよくわかります。でも、中々難しいんじゃないかな」
「どうして? エリアマネージャーの仕事はそんな難しいものではありませんよ」
「それは兼松さんと井原さんの二人が別格だからです。二人ともエリアで働く人々のことをよく考えている。第一、二人とも視野が広い。そして、阿吽の呼吸。互いにフォローし合って、そつなく仕事をこなしている。それは端から見てもよくわかる。でも、それが出来るのはお二人だからあって、それを長嶺君に求めるのはいささか可哀想な気がするなぁ」
「でも、彼は国家上級試験に受かるほどのエリートよ。それにしては余りにも……」
「だから、エリアに回されてきたんですよ。おそらく、省庁でもあまり役に立たなかったのかもしれません。そうでなければ片田舎の一エリアで働くなんてありえませんよ」
「そうかもしれないけど……」
「国営農場に来る人の中には職場の人間関係に馴染めず、ここに来る人もいます。長嶺君もある意味、職場に馴染めなかったからここに配属されたんじゃないんですか? だから、少しは目を瞑ってやってもいいのでは」
「そうかなぁ」井原は考え込む。
「それに、ここだけの話、何度も井原さんに注意されて、長嶺君、相当参ってますよ。もう慰めるの、大変です」
「そうなの?」
「そうですよ」
「参りたいのは私の方なんだけどなぁ」
「長嶺君に兼松さんと同じものを求めても、それはちょっと無理だと思います。やりづらさは致し方ないと思いますよ」
井原はため息をつく。
「難しいテストで合格点を取ることは出来ても、実務では合格点を取れないってこと?」
「取れないっていうか、井原さんの思うようにはいかないってことです。兼松さんもそうですが、井原さんもここでは、ちょっと抜きんでていますから」砂田は井原を持ち上げた。
確かに井原は事務官として優秀である。事務官はエリアマネージャーを補佐するのが役目。エリアマネージャーには、ここで働く人々の人望が厚いというのが重要だが、それは事務官にも同じように求められる。事務官はエリアマネージャーがいないとき、エリアマネージャーの代わりとなって人々を引っ張っていく役割を担っている。
故に、たとえ事務官であってもエリアマネージャーと同じかそれ以上に人望と責任感が強い人が求められ、事務官に就く人はここで働く人々の人望厚い人がその職に就いている。
井原も初めはエリアで働く一労働者に過ぎなかった。
しかし、その働きぶりが買われ、兼松がエリアマネージャーになる前のエリアマネージャーに事務官の職に就くよう誘われて事務官になった。その後も兼松の事務官として働いていた。
井原は事務仕事がなければ農場に出て、率先してみんなと一緒に働く。
「労働意欲なくして、生産性向上なし」
それが井原の口癖である。それはこのエリアで働く者ならみな知っている。その口癖で井原の物まねをする女性労働者も多く、職場は笑いと活気に満ち溢れていた。
井原の仕事ぶりを見て誰も文句を言う人はいなかった。井原は自分の口癖を体現している。それゆえに「井原さんがいるから、このエリアは成り立っている」とまで言わしめるほどであった。
それは兼松マネージャーも知っていて、兼松自身「その通り」というほどであった。それほど井原は誰からも信頼が厚かった。
故に兼松が退職した後、長嶺とうまくやっていく姿が見えず、井原自身、内心悩んでいた。
〈ここで働く人々の期待を裏切らないで進めて行けるかどうか……〉
「そんなに難しいことは要求してないんだけどな。それに実際、そんな難しいことはない……」井原はポツリ呟いた。
その何気ない呟きを聞き、砂田は慮った。そして、ここぞとばかりさりげなく切り出した。
「井原さん。前に息子夫婦から一緒に住もうって、誘いを受けているって言ったじゃないですか?」
井原は砂田を見る。
「兼松さんが退職されるのだから、これを機に息子さんのところに行ってもいいんじゃないかな? 確かお孫さんが出来たって言ってましたよね」
「それ、私がここにいない方がいいってこと?」井原は冗談っぽく言った。
「いえ、そうじゃなくて。井原さん、ちょっと、一人で背負いすぎてるんじゃないんですか? 井原さん、人一倍、責任感強いから。それで長嶺君と些細なことで衝突していたら、周りに示しがつかないし、それこそ井原さんの口癖じゃないけど、労働意欲は失われ、生産性は向上しないんじゃないんですか? それじゃ、本末転倒じゃないですか? 上が揉めていたら、その下で働く俺たちは間違いなく嫌気がさしますよ」
井原は砂田の言葉を噛みしめた。
「そうよね。うん、そう思う……」
「兼松さんと同じように、責任から自分を解放してもいいと思うけどな。少なくとも兼松さんがいなくなったら、今までのようにはいかないと思います」
「確かに。今までうまくやってこれたのは、マネージャーが兼松さんだったからだと思う。それはかなり大きいわ。それが長嶺君になったら、今まで通りとはいかない。長嶺君は三十八歳で私よりずっと若いし、年齢的にもちょっと離れすぎてるからその辺もうまくいかない要因なのかなって考えてたの。いっそ中原君あたりが事務官になった方が長嶺君も気兼ねなくうまくやっていけるんじゃないかなぁ~って」
「ああ、それいいかもしれませんね。でも、まぁ、中原君は兎も角、長嶺君の意向もあると思うから、そこらへんは柔軟に対応すればいいと思います。古いものを踏襲していくより、ここは心機一転、新しく変わるのもいいかもしれませんよ」
「それって、私が邪魔ってこと?」井原は悪びれず言った。
「いえ、そんなつもりじゃ」
「いいのよ。お局様と呼ぶ人もいるんだから」井原は笑って見せた。井原は砂田と長嶺のことを話して、どこか吹っ切れた。
「それに井原さん、ちょっと老婆心、し過ぎてるんじゃないんですか?」
「そうかもしれない。若いといっても、彼も三十八歳。立派な大人よね」
「そうですよ。あんまし子供扱いしちゃ失礼ですよ。井原さん、もしかして、どこかで子供扱いしてたんじゃないんですか?」
「それはあるかも」
「子供扱いするのは、お孫さんだけにしてくださいよ」
「あんな大きな孫、いないわよ」
「いい機会じゃないですか。兼松さんも辞めるし、これを機に息子夫婦のところに行って、お孫さんの世話をした方がいい。ここでこれから先、長嶺君に目くじら立て続けるより、よっぽどいい。第一、ストレスを感じなくて済む。それにその方が楽しい」
「そうね。そうかもしれないわね。兼松さんと一緒に退職するのは、エリアにとっても、長嶺君にとってもいいかもしれないわね」
「長嶺君だって、任せればうまい事やると思いますよ。今は井原さんがいるから甘えが出ているのか、どこか遠慮しているのかもしれません」
井原は片手で太ももを叩いて、気合を入れて、
「決めた! みんなには申し訳ないが、そうすることに決めた!」
「それがいいです。もし変なことがあったら、その時は俺が井原さんに変わって注意しますから」
「そうね。砂田さんもいるし、他の人もいるしね。ちょっと心配し過ぎたのかな」
「そうですよ。井原さん。ちょっと一人で背負い過ぎです。他にも沢山このエリアで働いている人がいるんだから大丈夫ですよ。井原さんと兼松さんの想いはみんなの胸の中にしっかりあります。井原さんも責任感から解放されて、第二の人生、お孫さんと楽しく過ごしてくださいよ。お孫さんがいるなんて、ほんと羨ましいです」
「じゃぁ、お言葉に甘えて、そうさせてもらうわ」
「いえいえ。このエリアから旅立つのは、とてもいいことですよ」
「ありがとう」
そういって、二人は微笑んだ。
そうして、井原は兼松の定年退職と共にエリアSを去っていった。
井原はこのエリアSを去る前に、夏樹に会いに行った。
エリアSで働く人々のほとんどはエリアセンターの建物の近くに住んでいた。住まいは木造アパートではない。平屋の戸建てである。その理由は空き家を改築した木造アパートに人々が住んでいたとき、一人暮らしのお年寄りの部屋から出火し、アパート全体が燃える大火事を起こしたことがあった。それを機に、過疎地には場所があるので平屋の戸建てで火災が起きても燃え移ることのないように間隔を開けて住宅が建ててられるようになった。
夏樹はエリアセンターの近くの戸建てに住まず、エリアセンターから遠く離れた空き家に美和子と二人で住んでいた。
それは病床の美和子が、二年前から全く働けなくなり、働けないことに引け目を感じていた。
夏樹はそんな母を想い、皆が住んでいるエリアセンターから遠く離れた空き家に二人で住むことにした。みんなから離れている方が気兼ねなく生活できるという夏樹の思いやりでもあった。その方が美和子の気持ちの負担も和らぐと。井原はその理由を知っていた。夏樹の人を思う気持ちを知っていた。それ故、井原は何か託すとしたら夏樹に託そうと思っていた。
このエリアを去る前に夏樹のところに挨拶に来たのだ。美和子にここを去ることを告げ、夏樹に言った。
「中原君が事務官になって、長嶺君をしっかりサポートしてあげてね」
「僕が事務官になるんですか?」
「あなた以外、誰がなれるっていうの? 長嶺君の年下だし、長嶺君もその方がきっとやりやすいと思うの」
「そうですか?」
「そうよ。年上を使うより、年下の方が頼みやすいでしょう」
「そうかもしれませんが……」
「兎に角、長嶺君をサポートしてあげて。ここに居ない人のことをあれこれ言うのは良くないけど、あの人、私の見立てではあまり人の上に立って何かをするような人じゃないと思う。適性がないというか向いてないと思う。だから、中原君がしっかりサポートしてあげて。彼が出来ないことを中原君が補ってあげて。でないと、きっと不幸を招くことになるかもしれない」
「いや、それはちょっと言い過ぎじゃないですか?」
「ならいいんだけど……」
「大丈夫ですよ」
「またいつもの老婆心が出たのかな」
「それより、お孫さんとの新しい生活、楽しんでくださいね」
「ありがとう」
井原は別れ際にも再び夏樹に真顔で念を押してきた。
「あなたがしっかり、長嶺君をサポートしてあげてね」
「はいはい。わかりました」夏樹は明るく気さくに答えた。
すると、井原が怒り出した。
「本気で言ってるのよ! 私から見て、どうもあの人、人の上に立つ器は持ち合わせていないような気がするの。だから、あなたにしっかりやってほしいの!」
「あ、はい、わかりました」夏樹は井原の迫力に押し切られるように答えた。
「ほんと、お願いよ。こんなこと言えるの、あなたしかいないのよ」
「……」
「このエリアを、しっかり守ってね」
井原はどこか、エリアSの将来に不安を感じていた。
夏樹はそんな井原を見て、何をそんなに心配することがあるのか、理解できなかった……。
兼松と井原が退職した後日、生活向上庁の承認を得て、エリアSの新体制が発表された。
エリアマネージャーは兼松の後を受け継ぐ形で長嶺がエリアSのマネージャーになった。そして、事務官には砂田が選ばれた。退職する前に兼松と井原は夏樹を生活向上庁に事務官として推薦したが、後任の長嶺たっての希望により覆った。長嶺にとっては砂田は井原を追い払ってくれた。自分の望みを叶えてくれた恩人。
しかし、生活向上庁には勿論、そんなことは言わず、砂田がフォークリフトの運転免許を持っているということでトラックの荷物の荷下ろしが今まで以上にスムーズに行えるという点を挙げて砂田を推した。
生活向上庁も一エリアの、しかも事務官に誰が就こうが気にも留めなかったため、新しくエリアマネージャーに就任する長嶺の意向をそのまま受け入れた。
夏樹は自分が事務官にならなかったことを別段、気に留めることはなかった。それに、あまり仕事に深くかかわると母のことが心配だっただけに自分にはエリアを管理、運営する仕事は向かないと、一労働者でいいと思っていたのでなんとも思わなかった。
砂田と長嶺はエリアセンターに併設してある事務所に入った。
事務所といっても広さ十二畳ほどの広さの平屋の建物である。エリアセンター自体が外観が巨大な倉庫施設のようなものなので派手さはない。それでも砂田は事務所に入り、自分の席に座ると満足そうな顔をした。デスクには自分専用のパソコンが置いてある。この事務所で、この場所で長嶺と二人でこのエリアSを仕切っていく。砂田の心はどこか高揚していた。
「どうです。やっていけそうですか?」対面に座る長嶺がパソコンの脇から顔を出して声をかけた。
「大丈夫だよ。わからないことがあったら長嶺君に教えてもらうから」
「はい。なんでも聞いてください!」長嶺の声もどこか浮かれていた。おそらくこのエリアSに来て、今、一番浮かれた声をあげたかもしれない。それは目の上のたんこぶだった井原がいなくなったからと言っても過言ではない。二人は各々、浮かれていた。
この時は、まだ悪は芽にもなっていなかったのかもしれない。
いや、何が悪で、誰が悪なのかさえ、誰にもわからなかった。
しかし、土壌は耕され、種は確実に撒かれた……。
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