詐欺詐欺危機一髪!
沼津平成はテツこりと執筆中です。
第1話 詐欺師 Vs 見栄っ張りフリーター
俺の名前は
あー、外見な? OK! 三十二だ。服装は黒、メガネも黒、今はセブンスターを口に入れマッチで火をつけようとしたら、皮膚にうつって大ヤケド! ……なんて、勿体ぶらなくても見ればわかるか……
そんな俺の冒険譚だ! よろしくなぁ!
*
佐藤カズはある一軒の家を訪問した。
「よぉ。お前にいい話がある」インターホン越しにペテン師はいった。
「いいですなぁ。2倍になる、とかいう話でしょ?」出てきたのは金城という男だ。表札にあるから自己紹介しなくてもわかる。
案の定自己紹介をし始めた男を見て、「あ、そこら辺はもういいよ、わかってるから」とカズは答えておいた。
さっすが、身辺調査はやいっすね、男の顔が綻ぶ。「ああいうの憧れてたんすよ。100億——ドル出します」
「なんて? 100億何ドル、だって?」カズは100億何ドル——1兆数円の札束を想像した。
「はい、とにかく後日だしますんで〜!」
儲かったな、と佐藤は思った。何しろドル換金なんて初めてだ。銀行ではなく直で受け取ることになった。
「あれ……? アメリカドルってこんなだったっけ……?」不審に思いながらもカズは札束を受け取った。
空港へ赴いて、両替をしてみると、一円も出てこなかった。
「壊れてるのかな」
余った数枚で画像検索をすると、出てきたのは「ジンバブエドル」についてだった。
「ジンバブエドル——インフレに強い貨幣。100兆ジンバブエドルで一円未満。紙屑と化している。お土産などで使われる。」
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