第2話 生徒会長、北条寺 司
そこにリムジンが入って来た。
私立である為、家庭環境は様々だ。
大金持ちも居れば、低所得の家庭の者も居る。
しかし、華百合学園では、成績が良ければ入学、転入出来る。
学費に関しても、家庭の経済状況により決められていた。
しかも、無試験であり、成績の基準は内申書ではない。
学年での順位と入学前の実テストの点数である。
中にはまだ差別をするクズ教師も居る為、内申書評価は無視、それまでの実際に行われたテスト成績が判定基準である。
流石にあまりにも……な成績では他へどうぞとなる。
救済処置で系列校もあるが、それすら基準に満たないと諦めるしかない。
と言ってもこの世の中だ、差別偏見に対しては特に問答無用で厳罰に処される為、下手な事は出来ないようになっている。
政界に進出している先輩達のおかげだ。
選挙でも優先的に当選する。
社会的地位を守り、法改正が出来ないようにする為に。
お金持ちは皆、車通学である。
社会に出ても車通勤が優先的に適応される。
訳の分からないクズ共から身を守る為だ。
守らなければ、増税、罰金が適用されるのである。
それは交通ルールもしかり、いわゆる取り締まりの為の取り締まりや差別扱いを防ぐ為だ。
その為、幾分緩く、保護されている。
しかし"いくらなんでもそれはどうか?"という違反は摘発対象である。
その為、車には全方位ドライブレコーダーが無償貸与され、車にも分かるように指定マークを付けることが義務付けされている。
また、このマークを偽造した者は死刑という法律が定められている為、死にたがり意外は偽造する者は居なかった。
どうしても車通勤が出来ない場合、専用車両が無料で送迎する。
そこまで身の安全と命が守られている。
就職差別、待遇差別をした為に倒産した会社もあるぐらいだ。
公的機関であれば、即クビであり、福祉による救済は一切されない。
ただし、なんでもかんでも優遇されている場合ではない。
それだけに、社会生活においては"皆の規範であれ"と厳しい規則が適応されている。
犯罪などを犯した場合、性別不一致でない者の5倍の罰則が適応される。
判決が無期懲役、死刑になる確率がずば抜けて高い。
人権侵害などが非常に手厚く行われ、最優先で救済される為、それだけ厳しいのだ。
(渋谷 翔 FtM)
わお!生徒会長だ。やっぱ金持ちは違うなぁ。
北条寺 司、この学園の創設者の血筋であり、本人も生徒会長のMtFだ。
北条寺家と言えば、日本有数の大企業の家系であり、政界にも多数輩出している名門中の名門。
世界進出している企業も多数ある。
しかし、本人は特に偉そうにする訳ではなく、逆にフレンドリーであった為、生徒からの信頼も厚く、人気も高い。
ファンクラブが出来るぐらいだ。
(北条寺 司 MtF)
皆様、ご機嫌よう。
それだけで黄色い声が上がるぐらいだ。
この学園では"イジメ"は無い。
度合いによっては強制退学になるからだ。
風紀委員による摘発も厳しい。
ただし校風は自由である為、特に不満は出なかった。
"社会的に人としてどうなのか?"という事が優先される為だ。
無償で配られる制服は一応あるが、私服もOKであり、中にはコスプレで通学する者も居る。
ただし、小物は嵩張り危険な為、禁止であるが。
あくまで服装のみだ。
(北条寺 司 MtF)
今日も皆さんお元気ですね。
特に問題は起こってないですか?
我が校の生徒が困っているとか。
(執事)
はい。問題はありません、お嬢様。
(北条寺 司 MtF)
先輩達が卒業した為、生徒会も増員が必要です。
良い人材を確保しないと。
それに、そろそろ私も恋がしたわ、誰か良い人は居ないかしら。
(執事)
はっ!早急に人選をいたします。
(北条寺 司 MtF)
その必要はない。
私が直接声を掛けるわ。
貴方は少し差別的なところが見受けられるの。
この学園に居る以上、出自は関係ない。
優秀な人やフィーリングが合う人なら誰でも良いの。
そういうところを直さないと、そのうち北条寺家を追放するわよ(蔑むような目)
貴方のそういうところ、私、辟易してるの(感情の消えた目)
(執事)
は、はい!申し訳ございません(涙目)
北条寺家からの追放、それはある意味、社会的抹殺である。
率先して仲間たちの人権、生存権を守っている家からの追放は、"貴方は差別主義者である"と認定されたのと同じ。
再就職先など無い、最終ライフラインからも見捨てられる。
今の時代、そんな差別主義者を助ける者など居ない。
破滅願望でも無い限り、誰が好き好んでそんな"核弾頭も真っ青"な爆弾を抱えるだろうか。
(北条寺 司 MtF)
さて、どんな良い方が見つかるでしょうか?
なんだか楽しみだわ。
るんるん気分で目を輝かせる司の隣りで、真っ青を通り越して土気色になりながら、冷や汗が止まらない執事であった。
リムジンで通学しているという事は、当然運転手がいる訳で、しかも司専属のメイドも2人、護衛が7人付いている。
その者達が"しっかり聞いている"のである。
知らないで済むはずがない。
校舎の入り口に着くと、車から降りる。
(一同)
いってらっしゃいませ、お嬢様。
そう言って見送られる。
流石に校舎内までは付いてこない。
次来るとしたら、お昼に食事の準備の為に、専属メイドが来るぐらいだ。
司が断れば、下校時にリムジンが迎えに来るまで誰も来ない。
そういうところも司が好かれる理由でもあった。
率先して馴染んでくるからだ。
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