異世界から帰ってきた聖なる魔法を使える騎士は可愛くするお店を開く

@kaminetu

騎士の決断

異世界から戻ってきて2年目高校2年生となった。そんな花道車道は一人の少女海原あかねを見つめていた。あかねの周りにいるのはクラスで可愛いらしい顔をした愛川メイちゃんがいる。ただ少し残念な少女なのだが。

 

「あかね、いつもおっちょこちょいで不細工で嫌いなのよ」

 

 俺はじっとあかねを見つめた。あかねは不細工と言われたことがショックなのか今にも泣き出しそうだ。

 

 その姿を見て俺は決心した。力を使う決心を。俺も実はわかるのだ。異世界の時俺は騎士として認められて騎士団のトップとして戦っていた。だが俺は強い魔獣と戦い右目を失い騎士団から去ることが決まった。

 

 その時言われた侮辱の数々を俺は覚えていた。だから彼女の悔しい気持ちがよく分かる。可愛い子が愛される世界それは仕方がないのかもしれない。でもだからって言ってはけいけないことがあるんだ。

 

「メイそこまでにしておけ」

「車道あの子に甘くない?彼女のこと好きなの?」

「黙れ」

 

 俺のマジギレの声を聞きメイは慌てて「車道怖い」とぶりっ子の声で言いながら逃げた。メイの仲間も「ちょっと待ってメイ」と言いながら追いかけた。

 

 都合が悪くなるとすぐに逃げ出すそんな彼女が嫌いだ。まぁ幼馴染なため追いかけて厳しく叱ることはできなかった。

 

 それよりも今はあかねのことが心配な俺はあかねに視線を戻した。

 

「あかね大丈夫か?」

「車道くんありがとう。ごめんね迷惑かけちゃて」

「気にすんな大丈夫だからよ」

 

 すると良かったと言いながら頬が赤くなった気がした。心地よいのだろう。

 

「なぁあかね可愛いくなりたいか?」

「うん」

「ちょっと目を瞑っていてくれ」

 

 あかねはグッと目に力を込めて閉めた。その姿がなんだから可愛らしい。俺は魔力で肌を綺麗にする力を使った。それを習得した理由は棋士に復帰するための一歩だった。

 

 自分のために習得した能力が彼女の力の手助けをすると思うと嬉しかった。そして彼女は綺麗になったことに気づかずに家に帰ったらのだった。

ーーー

 私どうしたんだろう周りからキョロキョロと見られている気がする。今日はうっかり二度寝をしてしまい遅刻しそうで鏡を見る時間はなかったのよ。そのため今日の私の顔は分からないから不安なの

 

 ようやく学校が見えてきてホッとした。ギリギリ5分前に学校につけてホッとしたが、そこからまだ教室に行くには時間がかかる。教室は3階なのだ。

 

急いで階段をダッシュした。その後ろには先生がいる。先生がダッシュしているのを見られると緊張してしまった。走っていると思われたのはいささか不安だった。でも時間はない。

 

 教室に入り中に入った。すると私に視線が集まる。

 

「誰あの子?転校生」

「綺麗な子じゃない」

 

 これはいじめられているのだろうか不安になった。不細工だから綺麗と言われて喜んでいじめられるパターンではないのか不安だった。

 

 でも時間はなくもう2分も時間はない。着替えはありがたいことになかった。そのため二分間準備を終えたら大丈夫なのだと思うとホッとした。

 

準備を終えた私にまだ視線は集まっていく。私は隣の席に座る車道君を見つめた。今日も車道君は眠っていた。「起きて車道君」というと「おはようあかね」と返事が返ってきた。相変わらずかっこいい車道君の顔を見つめて嬉しくてにっこり微笑んだ。

 

「メイ、あかね可愛くなった」

「なんでこんなに可愛くなるのよ。私の方が可愛いかったのに」

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