生まれたて悪魔と転生エルフ幼女の明るい家族計画 浄らかな魂をもらうはずだったのに悪魔のわたしがお母しゃん!? 冒険者ギルドでほのぼの働く予定 もしかしてわたしの方が子ども扱い?〜二人の出会い編完〜

こい

1ハグ♡(*>ω<)ω<*)♡ お母しゃんになってほしいのよ!

「悪魔しゃん! ラシュカのお母しゃんになってくだしゃい!」


なんてことでしょう。

わたしの趣味にド真ん中バッチリ。

窓から差す月明かりで輝くプラチナブロンドのロングヘアに輝く金色の瞳。

長い耳をぴこぴこと忙しなく揺らして、ぷっくりしたほっぺを膨らましてる。

天蓋付きのふかふかベッドにちょこんと座って拘束されているエルフ幼女がいじらしい涙目で健気に訴えてる。


「ああ! きゃわいい!

なんてきゃわいいの!

魂も浄らかさで輝いてるのにこんなにきゃわいいなんて!」


思わず叫んでしまいそうになる!


「なでなでしたい!」


叫んでました。


ボンテージのフレアスカートから飛び出る先っちょハートなわたしの黒くてプリティ悪魔しっぽがぶんぶんしちゃう。


成長するのがなんて楽しみな女の子。

そんなこの子の魂をこれからいただいてしまうと思うと悲しい。


「ほわわ!?」


エルフ幼女がびっくりしてる。

あんまりかわいいのと悲しいのとでハグしてたから。

幼い子のミルクのようないい香り。

頭をなでるとサラサラの金髪がするりと手からこぼれる。

きめの細かい白い肌がぷにぷにと心地いい。

改めてまじまじと眺めるとやっぱりきゃわいい。


森の中で暮らすエルフ特有の衣装がよく似合ってる。

どういう効果があるかは分からないけど首と足首にいかつい魔装具。

いわゆる首輪と足枷。

つまりこの子は奴隷?

隷属させる魔法でもかけられてるのかな?

逃げられないようにするためのものだよね?


エルフ幼女を離して巻物を広げる。

暗い部屋で文字が読めない。


炎の灯り薔薇ファイアブルーム


指をくるりと宙を描く。

魔法で燃える薔薇を浮かばせると部屋の中がうっすらと明るくなる。


「ほわ! もえるお花がかわいい!」


透かし彫りがキレイなテーブルに、金糸を織り込んだ紋様が素敵なソファ。

なんだかとっても高そうだけどそんなのどうでもいいや。


わたしが上司のいない隙に執務室から無断でパクって……じゃない、頂戴した巻物によるとどこぞの国の……

なにこれ?

水かなにかで滲んで読めない。

そうだ。

パクった時……じゃない、頂戴した時に机にあった花瓶が倒れて濡れたんだっけ。

わたしのせいじゃない。

花瓶のせい。

エルフの……村?を襲ったとある。


エルフってそんなに弱くないよね?

なんて思ったんだけど、エルフ戦士たちの留守を狙って襲撃したなんてプチ情報が書いてある。


まあとにかくこの子の魂はとってもいい魂には違いないからどんな情報でも関係ないや。

いっぱい魂を回収して偉くなって豪遊するのがわたしの夢!

そのためにも今回こそ成功させたい!

こんなにきゃわいいエルフ幼女の魂をもらっちゃうなんて悲しいけどさ。


「かわいい悪魔しゃん。おへんじしゅてくれないの?」

「ああ。わたしのことはマリアでいいよ」


この子の言った通りわたしはとっても美人かわいい悪魔女子。

悪魔らしい二本のつのと背中の蝙蝠ウイング。

先っちょハートな黒くてプリティなしっぽ。

きらりと光る悪魔の牙がチャームポイント。

どれも悪魔のアイデンティティ。

青白い肌をボンテージドレスが包む蠱惑的で見事なスタイル。

首につけたハートのチョーカーと蝙蝠にゃんこの髪飾りがかわいいのよ。


「マリアお母しゃんにラシュカのお母しゃんになってほしいのよ!」

「え? お母さん?」


わたしお母さんてガラじゃないんだけど?

歳だってまだ1歳だし?

まだ生まれたてのぴちぴちギャルよ?


「そうよ! お母しゃんになってほしいのよ!」

「お母さんて? いつまで?」


「ラシュカが死ぬまで!」



☆次回♡(*>ω<)ω<*)♡ しゃちく女子みたい?

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