ゲーム
つばめいろ
画面越しの景色
私はゲームの世界の勇者になったみたいだ。操作をしてくれるのは先輩。いつも本を読んでいて、ゲームなんかしたことない先輩が上手く操作できるのだろうか。案の定画面の前で、私を動かすのすら苦戦している。こんなことになるなら、先輩とゲームをしておけばよかった。
「スティック動かすだけですよ」
なんて言ってもその言葉が届くことがない。もどかしい。
何時間か操作されて、先輩のゲームセンスが壊滅的なのが分かった。町の壺やタンス壊したり開けたりしていいのに、一向にしない。それどころか、始めの町から出る様子もない。
さて、先輩がこのゲームを始めて何日、何ヶ月、何年経っただろう。もう覚えていない。ゲームの中は時間が止まっているようで、私は高校生から変わっていない。
一方で、先輩はもう大学生になっているようだ。それでも、飽きずにこのゲームを毎日起動している。操作はうまくなったが始めの町から進んでいない。
これは私が傷つかないようにするための先輩の配慮なんじゃないだろうか?
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