第35話 アウラへの報酬

 アウラさんが久々に僕の所へ来た。

「何とか戻って来れたよ」

「お、お疲れ様です」

「どこまで話していいか悩んだよ。最終的には全部話してしまったが、王様も納得している。してなかったらどんな罪になっていたか」


「そんなに大事だったのですね」

「レオは自分の価値を分かって無いな。男で魔法使えるだけでも異常なのに魔法で治療までしたらしいな」

「やはり魔法の治療って無いのですか?」

「全くないわけではない。が病気を数日で治すと言うのはない」

「少し元気にする程度ですか?」

「そうだ。知ってたのか?」

「あの……治療の時にそれを使ってました。いきなり内部を治療すると耐えられないかと思い先に使いました」

「……何個の魔法が使えるんだ?君はすでに属性とか関係無いだろ」

「特に何個かは覚えてませんが複合も居れるとそれなりには」


「決まった。報酬をくれ」

「何のですか?」

「捕まった時、死刑の危険性も有ったし貴族の称号を剝奪されてもおかしくはなかった。これで報酬無しは辛いぞ」

「報酬と言われてもお金なんて今少ししか持ってないですよ」

「金ではないよ。出来る範囲でなら報酬貰えるか?」

「まあ自分が出来る範囲なら」

「なら結婚だな。それで決まり」


「……誰と誰の?」

「今他人の話してどうする。私と君のだ。そんなに年齢離れてないし、私魔力は多いから長生きするぞ」

「ちょっと待って。魔力と長生きって関係するの?」

「何故しないと思う?何故治療が出来た?それを考えたら分からないか?身体を若く保つ事が出来るんだよ。多分君なら成長も出来るだろうが戻れなくなるからしては駄目だよ」

「そんな事が出来るんだ知らなかった」

「で、返事は?無いと言う事は合意したと見做すぞ」

「今の婚約者の全員の許可が取れたら受け入れます」

「簡単だな」

「凄い自信ですね」

「魔法で老けな……美しく保つ秘訣を教えれば……」

「それは確かに強そう。僕にはわからないし」

「では行ってくる」

と言うと急いで部屋を出て行った。


そんなに急に行ってクフェアに会えるのかな?というかミモザの存在とか知ってるのかな?

等と考えていたらクフェアとミモザが部屋に来た。

「偶然近くで会いまして」とクフェアが言っていたが視線は逸らされた。

「もう話ししたの?」と聞くと

「まだ婚約の話は聞いていません」とクフェアが答えた。

「何で聞いてないのに知っている?」

「ぐ、偶然聞こえたのですわ」

「で、どう思う?」

「私がいつまでも美しいとレオも嬉しいですよね?」


全部聞かれてたと思った方がいいねこれ。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る