第2話 次男ですか

 正直生まれてすぐの記憶は忘れたい。人間は忘却の生き者のはず。寝て起きて排出して気持ち悪くて泣いて……。


今は3歳。日本で言う2歳だね。ここでは生まれたら1歳。5歳毎に誕生日を祝い20歳で成人となる……らしい。


 最近知ったがうちには4歳上の兄が一人いて彼が家を継ぐらしい。平民なのに意味あるのかと思ったら何かうちは魔法を使える家系らしい。


 母親は魔法を使うのを見たが父が使うのを見たことはない。しかし父が極度に母を恐れているのは魔法を使えるからとか?……そんなことはないよね?


 最近少しずつ話をするようにしている。急に話したら不気味かと思い、本を読んでもらったりしていたのだが字の説明とか聞くと「まだ覚えなくても、もう少ししたら勉強するからね」と母に言われた。何か早くに詰め込みすぎると病気になるらしい。


 ある日母と兄とで遊んでいた時魔法の話になった。 

「大きくなったら魔法を使いたい」と言うと、母と兄は言いにくそうに言った。

「男の人はね、魔法は使えないの。ごめんね。」と謝られた。 


 神様〜!魔法使えないとか言われたのですが……

なんで神様はこんなことしたのだろう?魔法使えると聞いたから楽しみにしてたのに。

まあでも仕方ない。何か他の楽しみを探そうと考えていた時偶然父が来て言った

「母さんはこう見えて昔は地獄の業火と呼ばれた魔女だからな」と。

その瞬間父の前に火球が……。


 「母さんは昔から美しい魔法使いとして有名だったんだよ。結婚できたのが俺の人生で最高の出来事だよ。ホントウダヨ」

「あら、ありがとう。昔からと言う事は、当然今もと言う事ね」

「トウゼンデハナイカ」

「もう、子供の前で変な事言わないでね」

母の言葉は優しいが顔は怖くなってた。兄は泣きそうだった。

父は母に勝てないのはよくわかった。


 父と兄を助けようと母に話しかけた

「お母さま魔法をよく見せてもらえませんか?魔法に興味が有るので」

「あのね……何度も言うけどね……お母さまではなくママと呼んで」

「なぜで……ではなく、ママ教えて。お願い!」

「いい子ですね。きれいな火を見せてあげるね」


火球を作り上下左右に動かしてくれた。

「おかあ……ママ綺麗だね。あのね上に飛ばして花の様に爆発できないかな?」

「あら、ありがとう。多分できるわよ。やってみるね」


上空に飛ばし炸裂して火花が広がった。

「綺麗な花火が出来ましたね」と言うと

「花火?」と聞かれた。

「え、え~……花のように広がった火で花火と思いました」


 その後、兵士が来て少し問題になった。ごめんなさい。

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