コハクの彼方【小説ver.】

あいる

序章

ここは、とある学園である。

ここは、皆が望む楽園である。

ここは、人々の理想郷である。


理想はどこへ向かうのか。

願いはどこへ向かうのか。

そして、抱え込んだトラウマは一つの淡い夢を見る。

希望という名のね。


…………


この世界。

我々の住むこの世界では、能力者は【終才(しゅうさい)】と呼ばれている。

我々の様な【終才】を扱う人々の、社会的地位は低い。

だからこそ彼らは、誰の手にも穢されない【孤高の国】を生み出した。

『誰しもが社会的地位には囚われず、差別をされない、苦しむ必要のない、この力を誰かのために使える様な、平等な世界であるように』

そう、先代の【終才】たちは願った。


そして誕生したのが、この空に浮かんだ巨大都市。

その名も、【学園都市】。

そのままじゃないかって?

そのままさ。

わかりやすいだろう?

さて、話の腰が折れる前に次に進もう。


そして、【終才】たちは各々に特殊な能力を持つことが出来る。

人々はその力を、【終演(しゅうえん)】と呼んだ。


この世界を物語(フィクション)と、

例えるのなら。か。


んー、そうだね。

そんな彼らの、

僕たち、

君たちの、

生きる希望を探す物語。

とでも記そうか。


さあ、

夢を語ろう。

夢を唄おう。

夢と踊ろう。


空から堕ちてきた一雫の涙は、ゆっくりとその世界を変えていくのかも、しれない。


今日もはじまりの鐘の音が世界に鳴り響く。

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