わがままな第三王子によって召喚された【付与術師】ですが第一王子と第二王子がめっちゃうざいので無理にでも第三王子をこの国の後継者にしてやりたいと思います
カイト
第1話 【勇者の凱旋】
私達が【魔王オービル=フィオエル】を討ち取ったと言う話がクリスティアーノ王国中に響き渡りました。
私達が王国に凱旋するとやっぱりと言うか手厚い歓迎を受けることになります。
「「「「「わあああああ〜!!!!」」」」」
まるでパレードのように両橋に切り分けられたロードを進む私たち。
民衆の感性の中、私たちを乗せた馬車は城への門へと突き進む。
「【勇者】高坂様〜!!!」
「【戦士】佐藤様〜!!!」
「【賢者】石川様〜!!!」
「【回復術師】小鳥遊様〜!!!」
「【付与術師】黒木様〜!!!」
「【弱体術師】愛川様〜!!!」
私達はそれぞれの名前を呼ばれながら民衆に歓喜の眼差しを向けられている。
その歓声を聞いた時に私はようやく冒険が終わるのだと気がついた。
(...この度ももう終わりかな。でも皆さんと旅ができて本当に楽しかったですね)
そう、私はこの冒険が終わったら何をするかを考えていました。
勿論王国に迎え入れられた私たちは魔王討伐成功のパーティに参加することになりました。
王様が私たちの前で言葉を言い、それぞれにグラスを渡していきます。
「勇者達よ! 此度は【魔王オービル=フィオエル】の件、誠に大義であった。今宵は存分にその疲れを癒すが良い」
王様の「乾杯」の言葉と共に私たちはグラスを一気に飲み干したのですが...!
「うぐっ...!?」
私たちは全員がバタバタと倒れてしまいました。
(なんですかこれ...!? まさか...即効性の高い猛毒!?)
急に体に力が入らなくなり、その場に倒れた私を見て王様はこう一言言いました。
「...すまない」
そして私の視界は真っ暗になり次に目を覚ますとそこには...!
「...え?」
明らかに嫌味な顔をした肥満体型の少年が私の瞳に映るのでした。
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