第9話 小高くん姉弟とショッピングなど!
今日は学校が創立記念日ということで臨時休校。ということなので、郊外にあるショッピングセンターにひとりで来たワケですが…
「神崎さーん!」
背後から聞き覚えのある、小高くんらしき声が聞こえる。その声の方向に振り返ると、そこに居たのはやはり「小高くん」本人。その隣にはお姉さんも一緒。
「神崎さんもお買い物に来たの?」
買い物に来たのは一応本当なのだが、目的はショッピングセンター内にあるゲームセンターのUFOキャッチャーの「限定ぬいぐるみ」をGETする為に来た。
…けれど、そんなことは恥ずかしくて小高くんたちに言えるワケがないので、それとなくごまかす。
「あーそのー家族にー買い物をー頼まれてーここにー来たんだーアハハ…」
棒読みだったので、嘘っぽい言い方だが、嘘はついていない。なぜなら家族から「ショッピングセンターに行くなら買い物を来てよ~」と頼まれたのは本当のことだから。
「そっかー、もしお邪魔じゃなかったら一緒にお買い物しよー!」
ニコニコ笑顔を見せる小高くんからの誘いを断れるワケもなく…小高くん姉弟と共に一緒にお買い物をすることに…
「神崎さん、実はね?ここには買い物目的じゃなくて、ゲーセン目的なんだ!グイーッと動かすヤツ(UFOキャッチャー)がどーしてもやりたくて!あっ、このことはクラスのみんなには内緒ね!」
…!?もしかして、これ小高くんも同じ景品(限定ぬいぐるみ)を狙ってる?
「え?小高くん?ま、まさか?限定品のぬいぐるみを狙ってる?」
「そーだよ!あの限定品ぬいぐるみが欲しくてね!オンクレ(オンラインクレーンゲーム)でいっぱい練習してきたんだ!その反応はもしかして、神崎さんも?」
「う、うん…さすがにゲーセンが目的で来たって言い出すの恥ずかしくて、ついごまかしちゃった…」
小高くんのお姉さんも一緒なのは、保護者代わりで来てもらったらしい。
小高くんの身長が低いせいで、いろんな人から「キミ、お父さんかお母さんは近くにいるのかい?」と何度も聞かれて、その都度「僕は、高校生です!小学生じゃありません!はいっ、これっ学生証!」と提示するやり取りが煩わしいらしく、ここ最近は小高くん家族同伴のもとで行動をしているみたい。
その後、ショッピングセンター内での買い物を一通り終えて、遂に目的の「ゲームセンター」へ足を踏み入れる。
ゲームセンター内は他のイベントも行っているのか、混雑していたが、お目当ての「限定ぬいぐるみ」のUFOキャッチャーコーナーは運が良かったのか、プレイしている人は居らず、ガラ空き。(ラッキー!)
「お姉ちゃんは、洋服とかコスメのコーナーとかを見ているから、二人とも楽しんでこい!終わったら、誠人連絡ちょーだい」
小高くんのお姉さんと別れて、小高くんと共にUFOキャッチャーなどを楽しむ。
――数分後
限定ぬいぐるみ、あっさりGET!
普通は、時間とお金が掛かるモノなのだが、たったの数分で、限定のぬいぐるみが取れた。
…取れたことは素直に嬉しいけど、もう少しハラハラ・ドキドキ感というモノが欲しかったなという何とも言えない、複雑な気持ち。
まあ、目的のモノ(限定ぬいぐるみ)を難なくGETすることが出来たから、良しとするか…!
(時間を持て余したので、ホッケーで居合わせた小学生と勝負して負けたなんて言えない…)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます