聖なる夜、怪しい箱にサンタコスの彼女が入っていた件。
🪻夕凪百合🪻
君という名のプレゼント
――ピンポーン!――トントントン。
インターフォンとノックの音が一人の聖夜を邪魔してくる。こんな日に誰だろうかと思いながらも無視する。
――ピピピピ……ピンポーン!ドンドンドン!
「――あ~もう……うっさいなぁ!!」
かなり厄介なピンポンダッシュがいるんだろうと思い、仕方なくドアを開けに行く。
ドアを開けると目の前には、人が一人詰め込まれてそうな箱が一つ。
――ガサゴソ……ガサゴソ。
完全になんか入ってる――と思いながらも恐怖心を抑え、勇気を出して開けてみる。
「えへへ……」
サンタのコスプレをして、照れくさそうしている彼女が目の前に立っている。夢か幻覚かと思い、一発叩いてみる。リアルな感覚が伝う。叩いてしまった気まずさと罪悪感で扉を閉めて鍵を閉めようとすると――
「あんたさ!あたしがこんな極寒の中、サンタコスして箱に入っていたっていうのに放置してさ、その上に一発叩いてくるとか酷くない!?」
ドアを無理矢理開けて、家に入ってくる。そして鍵を閉められた。
「何しに来たん?」
「20代後半の癖に、聖なる夜にクリぼっちなアラサー引きこもり陰キャ女を喜ばせに来たんだよ」
来てくれたことは嬉しいが、そんなボロクソに言う必要あるだろうか?というか――
「……あ~、うん。悦ばせに来てくれたんだね。じゃあ2人だけの性夜を楽しもうか――」
「え!……ちょっ!待って!……違うっ!」
私は戸惑う彼女をベッドに押し倒す。
「……ふふっ、冗談だよ」
「嘘つき!襲おうとしたでしょ。一瞬、目がマジだったもん……」
「そんなわけないじゃん」
「……獲物を見る獣のような目だったよ?」
涙を溜めてる彼女の目が輝いていて可愛い。
「まあ、いいや。それよりも普通に聖夜を楽しもうよ!ほらケーキとチキン買ってきたからさ」
「そうだね」
私たちはせーのと息を合わせて言う。
「Happy Holiday!」
――完。
聖なる夜、怪しい箱にサンタコスの彼女が入っていた件。 🪻夕凪百合🪻 @kuroyuri0519
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