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「相変わらず、勉強ばっかりしているね。夏秋くんは。えらい。えらい」と感心しながら、千鶴は言った。
「うん。勉強できるときにしておかないと、いろいろと家のこととか、妹のこととか、五つ子の面倒とか、やらなきゃいけないこともあるからさ」と千鶴が持ってきてくれた大きめのおなべの中に入っているおでんを取り皿にとって食べながら、夏秋は言った。
夏秋は今、あつあつのこんにゃくを食べている。(湯気の出ているおでんは本当に味が濃く染みていて、とても美味しかった)
おでんの具はこんにゃく。はんぺん。たまご。だいこん。ちくわ。といろいろとたくさん入っている。とても贅沢なおでんだった。(料理が上手な千鶴の手作りみたいだった)
夏秋はふーふーしながら、大根を食べる。うまい。思わず夏秋は笑顔になった。(そんな夏秋を見て、千鶴も嬉しそうにふふっと笑っている)
五つ子の子犬たちもおでんに興味津々で、千鶴が用意しているお皿のところにぎゅぎゅうになって、五つ子みんなが集まっている。
「はい。どうぞ。お食べ」
千鶴が言うと、五つ子の子犬は、いっせいにおでんを「いただきます!」と、元気にわん! と言って食べ始めた。(そんな元気いっぱいの五つ子の子犬たちのことを夏秋と千鶴はとっても嬉しそうな顔で見ている)
「千鶴はテストどうだったの?」とはんぺんを食べながら夏秋は言う。
頭のいい夏秋のテストの成績はいつも一番だった。
「え? えっと、まあ、そこそこ」と愛想笑いをしながら千鶴は言う。
「あ、ほら。夏秋くん。早く食べないと。おでん。冷めちゃうよ!」と話題を変えるようにして、湯気の出でいる熱々のだいこんを自分の取り皿に取りながら、千鶴は言った。(本当は、あーん、てさっき見ていたドラマみたいにしたかったけど、恥ずかしいからできなかった)
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