傷弓ノ言ノ人

亜月

極点


無言のシンクの片隅

瞬間的フラッシュバック

曖昧で鮮明な記憶は

疾風はやてのように消えていった


未だ理解もできないまま

心の端に引っかかる

えるのはただ

鋭利なくろがねと矛先の鼓動


秋冬の宵は恐い

澄んだ月光は封印を解く

ずっと閉じ込めていた

衝動を駆り出そうと


幸い

今の私には共鳴しなかった

震える記憶を

何も言わず見つめるのみ


罪悪感か 自己嫌悪か

その景色の裏は

掠れて滲んで忘れていた

他人事ひとごとを傍観するように


不安定なトリガー

いつ暴発するかもわからない

引かれた時にまた

あの景色を視るのだろうか



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