極度の面倒くさがりは当主様と離婚したい

@usagi_1012

第1話 プロローグ

 魑魅魍魎ちみもうりょう跋扈ばっこしていた平安時代から、平成と呼ばれる現代に至る今でも、妖から人々を守る機関がこの国には存在している。


 その機関は陰陽局。先祖代々、妖を退治している家の者が属しており、私の家の紫藤しとう家も日夜、妖退治をしている。


 そんな紫藤家には、二人の姉妹がいる。名前は姉の方が紫藤菫しとうすみれ、妹の方は紫藤蓮花しとうれんげ


 姉の菫は霊力が高く、妖退治で活躍していて術者から慕われている。それに対して、妹の蓮花は霊力は姉よりあるのにも関わらず、妖退治をほとんどしていないため、一定の術者からは見下されたり、舐められた態度を取られたりしている。


普通なら見下されたり、舐めた態度を取られれば悲しんだり、怒ったりするが、蓮花は気にも留めていない。そういう輩は完全無視だ。


そんな蓮花が妖退治をほとんどしない理由は、極度の面倒くさがりだから。


 それを、紫藤家は必死に隠している。面倒だから妖を退治しないなんて、術者家系にとって恥晒しもいいところだからだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る