第三章 ~『事件発生と冤罪』~
朝の光が窓から差し込み、
(夢に一歩近づきましたね)
身支度を整えて、画房に向かう
口元が緩むのを抑えながら、
(正式に女官になったのは正解でしたね)
自らの選択は正しかったと再認識した
画房の中を宦官たちが慎重な手つきで調査していた。机の上に置かれた筆や墨を入念に確認している。
時折、低い声で指示を交わす声が響き、そのたびに張り詰めた空気が一層重くなっていった。
(……何が起きたのでしょうか?)
「
「
「
「実は昨晩、ある事件が起きてな。その事件の担当を俺がすることになった。そしてその容疑者として疑われているのが
つまり宦官たちが画房を調査しているのは、事件の手がかりを得るためだと、
「どのような事件が起きたのか聞かせてくれますね?」
「断るのは簡単だが、画房で働く
「ど、毒ですか……」
「あ、あの、確かに
「もちろん、理由はそれだけじゃない……昨晩、
「ほ、本当なのですか、
「訪問と口論は事実よ。でも誓って殺してないわ。信じて、
「もちろん信じます。だから事件当日、何が起きたのか話してください」
そこから無実の証拠を見つけられるかもしれない。そう伝えると、
「実は
「それで彼の部屋を訪れたのですね」
「ええ、でもその言葉を信じた私が愚かだったわ。彼は諦めるつもりなんてなかったの」
「食事を終えても、
その時の大声を聞かれたのだろうと、
「それで?」
「その後、すぐに部屋を出たわ。話しても無駄だと悟ったから……だから毒なんて盛ってないの。信じて!」
「あの、自殺ということはないでしょうか?」
「俺は違うと思う。あの男をよく知っているが、振られたくらいで死を選ぶような奴ではない」
「私も同感よ。言葉が羽のように軽いから、私と復縁できないと生きていけないという言葉もただの脅し文句よ」
「そうですか……」
自殺でないなら、他殺ということになる。伝え聞く性格を考えると、
「他に訪問者はいなかったのですか?」
「いない。あの部屋は壁が薄くて、来訪があれば、両隣の住人がすぐに気づくからな」
「では証言者たちが口裏を合わせている可能性は?」
「限りなく低いだろうな。なにせ動機がない。だが
「なるほど……事情は理解できました……」
(なんとか無実を証明しないとですね)
心の中でそう誓っていると、外から大きな足音が響いてきた。画房の扉が勢いよく開かれ、踏み込んできたのは、以前、
緊張感に包まれる中、
「遅いぞ、
「丁寧に取り調べをしているんだ。時間がかかるのは当然だ」
「そんな必要はない。状況証拠から見ても、犯人は
早く帰りたいんだと、
「それは聞き捨てなりませんね」
「お、お前は、あの時の!」
「
「状況証拠を考えてみろ。この女が怪しいのは誰が見ても明らかだ」
「怪しいだけです。決定的な証拠はありませんよ」
「それはそうだが……」
「
「そ、それは……」
もし冤罪なら責任を負う覚悟があるのかと、
「お、俺はこの事件の担当じゃない。責任者は
その言葉だけ残すと、
「同僚が迷惑をかけたな」
「いえ……」
「ただあいつの言う事にも一理ある。現時点で決定的な証拠はないが、状況だけなら
「だからこそ無実を証明するためには、真犯人の特定が必要だ」
「なら私に殺害現場を見せてくれませんか?」
「
「同僚のピンチですから。助けたいのです。それに容疑者の
当事者だと証拠隠滅の恐れがある。実際にするとは思っていないが、不要な疑いを招かないためにも
「どうでしょうか、
「分かった。
「本当ですか!」
「
「妲己様が……」
「もちろんこれは贔屓ではない。太妃様が働きぶりを評価したからこそだ」
実力で勝ち取った優遇だと、
「必ず、無実の証拠を見つけてきます」
「
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