第7話 睡眠は偉大なり

「漸く、、朝か。」恐怖で寝れなかったので徹夜という形になってしまった。結局あの後、川を渡っていた集団の音は聞こえなくなった、、、生存本能ができるだけ離れろと告げているので、辺りを何度も見回して何もいないことを確認した後,慎重に木を降りて森の中を忍び足で進んでいった。


・・・あれからろくな休憩もせずに8時間程歩いただろうか、、足がパンパンに張ってこれ以上歩く事を拒否している。最後の方には六尺棒を杖代わりにして歩いていたが、これ以上は体力的に無理だと判断した。慎重に川を見渡し辺りに何もいない事を確認すると水分補給を済ませ、急いで森の中に入った。

「今日はもう疲れた、、寝る前に幼虫を何匹か捕まえたら寝るぅ、、」土を石で掘り起こすのはもう手慣れた者で三分で四匹捕まえることができた。

「腹ごしらえも済んだし、あそこのでかい木で寝るかぁ、、」この日は高さ20m程の木で寝ることが出来たので昨日より幾らか安心して寝れた。


「んぁぁ〜良く寝れた〜、、、、んじゃ今日も歩くかぁ、」爆睡したおかげか足の痛みや全身の倦怠感はすっかり無くなっている。歩く場所が川沿いは怖いので、出来れば森を歩きたいのだが、残念ながら森は苔や木の根が張り巡らされて歩きづらいので、川と森の中間辺りの位置を歩く事にした。

昼頃まで歩き通したので小休憩をとっていると、上流から何かが流れて来た。

「!?なんか流れて来てるじゃん、一応石を投げれるようにしとこ、、、」緊張しながら右手に石を、左手に六尺棒(正確には三尺ほどしか無いが)を構えてその物体が何かを確認した、、、、、、「服、、か?服だなあれ、、、、、ふくぅ!?え!?ふくぅ!?」明らかに上流に人がいる証拠だ!!服は流されて行ったがそれよりも上流へ行くことが優先だと考え、早足で上流へと向かった。

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