叛逆之王女と叛逆之騎士の異世界革命記

わどぐらん

第1話 日常の崩壊

余ことヴァレリア・ペンドラゴンは、いつも通り公務に追われていた。


「ヴァレリア様、これはどうしたら、、、」

「ヴァレリア様、、、」


余が属するアルトリア王国は大陸の約60%の国土を持つ世界有数の大国だ。

父は前王であり、即位からわずか5年も立たず病によりこの世をさってしまった。


その後のまつりごとは、余が引き継ぎ、今までの各大臣と共に国の発展を願い進めてきた。


仕事に一区切りがつき、王座で忠臣たちと休息をとっていた。これが、彼らと最後に会うこととも知らずに。


「ヴァレリア様、お身体大丈夫ですか?」

「あぁ、問題ない。それより、国の様子はどうだ?」

「特に問題はありません、これもヴァレリア様の素晴らしい手腕によることかと」

「そうか、それならよかった」


父が亡くなってから、止まらずに走ってきた。

悲しみに暮れるまもなく。ただ、ブラハムなどの余に協力してくれる忠臣がいてなんとかなっている。


しばらく休んでいると、部屋の外から大量の足音が大きな音を立てながら部屋に入ってきた。


統率まで取れたこの兵士たちにより、王の間は異様な雰囲気に包まれていた。

その雰囲気を壊したのは、ブラハムだった。


「貴様ら何者だ!?王の前に不快であるぞ!」

「何を言っているのかしら?今日から王は私になったのよ?」


そう話しながら前に出てきたのは、実の妹であるヴァルキアだった。


「ヴァル?何をしている?ここは、冗談を言う場ではないんだが、」

「冗談じゃないわよ、お姉様。いや、ヴァレリア」

「なに?」


何が起きているのかわからなかったが、なぜか私は、いつも通り平常を保っていた。


「そうですよヴァレリア様、あなたはもう王ではなくなったのです」

「ラミンダ、貴様、、、」

「もうあなた側につくのは、そこにいるブラハム達だけですよ、つまり、あなたの負けです」

「そうかもしれないな、、、」


周りを見渡し、配下達に合図を送る。

こうなりそうなことは、事前にわかっていた。

しかし、まさか起こるとは、、、


「ラミンダ、お前は何か勘違いしていないか?

王を決めるのは国民だ、果たしてヴァルキア様に務まるかな?」


計画通りにブラハムが話し出した。

その瞬間に煙幕を投げ、事前に準備しておいた約束の地まで足を運んだ。


「では、このあと私たちは私兵と共にここで食い止めます。ブラハム頼んだぞ」

「すまない、みんな」

「ヴァレリア様、私たちはあなたに命を預けるんです。必ず生き延びてまた王になってください」

「あぁ、約束する。みんなを無駄にはしない」


そう言うと、彼らは兵を連れて王宮の方へ向かっていった。


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城をでて、荒野を走っていると、右から新たな兵が突撃してきた。

かなり数が多く、ブラハムの兵だけで、苦戦を強いられていた。


「ヴァレリア様、この先ずっと北に進んでいけば、協力者の伯爵領があります。兵を5人ほど連れていますが向かってください」

「ブラハムはどうなる?もしかして、ここで、、、」

「安心してください、ブラハム死してヴァレリア様死なずですよ。ヴァレリア様さえ生き残れば、どうとでもなります」

「ブラハム、、、すまない」


余は北へ馬を走らせた。

移動の最中、連れてきた兵は余を守るために犠牲となった。


そして数時間経ったのち協力者であるグラディエルス領に到着した。





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