第2話 猫泣き村
「ねえ優太まだ着かないの?」
「もうそろそろ着く。」
「もう2時間も歩いてる。
そろそろ着かなきゃおかしいよ。
もしかして迷ったの?」
「いや確かにこの辺り。
先輩がそう言ってたから間違いない。」
「はあ、着いてくるんじゃなかった。」
「別にいいだろ、そうケチケチするなよ。」
「テスト終わったからって暇じゃないの。
ママに言い訳するの大変だったからね。」
「土日12時まで寝てる娘が早起きするってんならお前の母ちゃんも喜ぶよ。」
「5時に起こしといてよく言うね。
そして今7時、早くして。」
「まあまあ前を見てご覧。」
「ん?なんかある。」
「着いた、あれが猫泣き村に繋がるトンネルだ。」
「え?単に古いトンネルじゃん。
わざわざ来たのに結局はこれか。」
「はあ?まじだから。
まじであのトンネル猫泣き村に繋がってるから。狂った村人が襲いかかってきても後悔するなよ。」
「よくもまああんなデマを信じ込めるね。
なんかある度にトイレットペーパー買うだけの事はある。」
「関係ないだろ、それより行くぞ。
噂によればここの狂った村人に何十人も殺されてるらしい。
絶対にヤバいな。」
「先輩からの話半分の噂を聞いてはるばる東京から2時間。
確かにヤバいね。」
「いい散歩になっただろ。
いっつも勉強しかしてない奴がさ。」
「小判鮫みたいに他の女の子に言い寄ってる奴に言われたくない。」
「うう、まあとにかく行くぞ。」
「残念だけどそれは無理。」
「はあ?何でだよ。」
「甲板にでかでかと立ち入り禁止って書いてあるでしょ。」
「ほんとだ、じゃあ仕方ねえ。
帰るか。」
「賛同。」
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