世界の源泉

書庫のオオサワ

創作における健康論

 創作における健康論と題して。

 飽くまで私は専門家ではないので、フィクションとしてとらえて頂きたい。

 しかしこう考えれば合点のいくことをここに書き記しておく。


 前頭葉で創作を続けると健康を損なう可能性。

 つまり、好き嫌い~承認欲求領域で創作活動を続けると、抑うつを始めその他精神疾患、果ては生活習慣病にまで繋がりかねないのではないかという推測。


 その概要を以下に。


 人間のエネルギーを司る代謝回路は主に二つ。

 糖代謝回路。

 脂質代謝回路。


 三十歳前後からこの回路が糖から脂質へと切り替わる。

 ここでは切り替わり以後を大人、以前を子供と定義する。


 子供の時代、好き嫌いに始まって承認欲が発生する。好き嫌いというのは要するにすぐに温度が上がる=振動を帯びることを意味する。

 成長のうちに振動を固有毎に(無意識に、あるいは教育などで)より分けていく。

 

 "鉄は熱いうちに打て"


 とはまさにこのこと。大人になるまでに何に情熱を抱くのかが、その後の人生の道筋に大きく関わってくる。つまり子供時代の興味が良くも悪くも非常に重要になってくる。

 ちなみにいわゆる毒親家庭などでこのプロトコルに不具合が生じると、大人になっても何がしたいのか・すべきかわからないなど精神面に悪影響を抱えたままになってしまう。また、承認欲が暴走して依存的になったりする(ex.アルコール依存への走り)。


 閑話休題。

 大人になると脂質代謝に切り替わる訳だが、問題は糖質に依り過ぎだということ。

 さらにメンタル面では大人になったにも関わらず、子供のままのような振る舞いをすること。

 これらは心身とのギャップをもたらし、果ては病を呼び寄せるのではないだろうか?


 創作論に紐付けて考えてみよう。

 あなたは机上で何かしらの創作活動に勤しんでいる。手元には砂糖をたっぷりと入れたコーヒーがあり、カップからはもはや湯気は出ていない。

 それに口を付け、据えた甘みに舌鼓を打ちながらあなたは活動に没頭するのである--


 物語の展開であれ何であれ、好む好まざる感覚、誰かに読まれたいという一心……これらが脳内で強固化(顕妄想)され、さらに糖代謝回路がそれを助長していく。

 若い人だと身体の側の再生力も高くいまだ糖代謝回路優位のため、脳内の強固化がどんどん進んでいく。

 年いった人では強固化された脳内に加えて、脂質代謝回路優位なこともあり糖の回路に負荷を与え続けているとそのうち年とともに内臓などにも不具合が生じてくる。


 好き嫌いや承認欲が過度に強固化された脳で起こることとは、現実とのギャップによる何かしらの精神病質的な悪影響である。それが不安感・不定愁訴程度であれ鬱病その他にまで発展してしまうかはその人の耐久性のようなものによるだろうか?


 なら健康的に創作をするには?

 その人その時に合わせた糖質の適量を摂り、なるべく創作の感覚を呼吸のそれに近づけること。

 その他栄養や運動などの要素もありまくるが、ここでは省く。ここに書いたことを含め、なにごとも一概ではない。

 好き嫌い、承認欲といったいわば"我欲"を極力少なくして、創作だけに意力を注ぐようにする。頭で書かない、身体で書く。


 なるべくクリアに清澄に。

 ひとつの世界の源泉たれと、やるべし。 

 そう自身に言い聞かせる。

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