第20話 神代の能力

 立ち上がった神代の前に立ちはだかる美怜を前にして驚愕していたのだ。


「いつの間に!?」


 慌てて後ろに飛び退いたが、突然全身に強烈な凝集された力がぶつかり彼は吹き飛ばされたのであった。


「うおっ……!」


 そして、壁に激突し体中に激痛が走ったのである。あまりの衝撃に立っていられず彼は床に倒れこんだのである……。


「フヘヘ……弱いね……今から僕は君に力を使わず、周りにある武器を念動力で浮かせて攻撃するよ……。じゃあ、飛ばすよぉ~~!!」


 美玲は無邪気な笑みを浮かべつつ掛け声をかけると、急に神代を押さえつけていた力が無くなったのだ。彼は即座に飛び起きたが、目の前にはナイフや剣が浮いていたのである。


「これは……!」


 そして、それらは彼に向かって勢いよく飛んで来たのであった。それを何とか避けながら逃げ惑うが、空中を飛んで襲い掛かる武器に苦戦する一方だったのだ。


(くそぉ……これはヤバいぞ……!)


 神代は焦りながら必死に逃げ惑うが、防戦一方になってしまう。そんな中、美玲の声が聞こえてきたのである。


「ヘぇ~~……この程度なんだ?」

「くっ……舐めるなよ!!」


 彼は怒りを露にすると、体全体に力を籠めると彼の皮膚の部分から鱗らしきモノが浮き上がってきたのだ。


「ええっ! 何だよそれ!? 気味悪ぅ~~!!」


 神代の変化に驚きの声を上げると、彼はニヤリと笑ったのである……。そして、勢いよく空中を飛んできたナイフの1本を鱗で弾き飛ばしたのだ。


「何っ!? ナイフが刺さらない……」

「この姿になると気味悪い見た目になるから普段はしない。俺の鱗は拳銃の弾なら弾き返すぞ……お前との戦いには、こうするしか無いがな……」


 顔も鱗で覆われた姿でそう答えると、一気に武器が飾ってある壁際まで疾走したのだ。そして、その中から山刀を手に取ったのである。


「この……化け物めぇ~~!!」


 美玲はそう叫ぶと空中に浮いていた武器を神代に次々と飛ばしたのだ。彼は手にした山刀で飛んでくる武器を捌いていく。その姿はまるで、アクション映画のワンシーンの様であった。

 そして、最後の1本を弾き飛ばすと手に取った武器を構えて彼女に向かって突進したのだ……。


「行くぞぉ~~!!」


 彼はそう叫ぶと勢いよく突っ込んで行ったのである。しかし、美玲も負けじと念動力を行使するのであった……。


「お返しだぁ~~!!」


 山刀を振り下ろそうとした瞬間、神代の体が突然重くなったのだ……。


「な……何だ!?」


 突然、体に違和感を感じた神代は自分の体が硬直して、動きが止まっている事に気付いたのだ……。すると、美玲は不気味な笑みを浮かべていた。


「ヘヘヘ……やっぱり力は使わせて貰うね……」


 そして、彼女は山刀を振り上げようとした状態で止まっていた神代に力を加えると彼の体は勢いよく壁に衝突したのである。


「ぐへっ!!」


 壁に激突した神代は口から血を吐き、そのまま床に倒れこんだ。


「くそぉ……厄介な力め……」


 彼は何とか立ち上がろうとし、ヨロヨロしながらも立ち上がったのである。そんな様子を見て美玲だった者はニヤリと笑ったのだ。


「アハハハハ! 無様だね~~」

「く、くそ……!」


 神代は狼狽えながらも、この状況を打破しようと思考を巡らせていた。


(奴の念動力は強力だが、奴の精神に負担が掛かれば勝機が見えるかも……)


 そう考えながら迷彩服のポケットに手を入れると閃光手榴弾を取り出したのである。

 それを美怜に投げつけると、ドーンという大音量と激しい閃光を発したのであった……。


「うわわぁぁ!!」


 彼女は、あまりの眩しさと耳をつんざく爆発音に思わず目を瞑り手で耳を覆いながら悲鳴を上げた。そして、その隙をついて神代は一気に距離を詰めて彼女に山刀を振り下ろす。


「死ねやぁ~~!!」


 彼の必殺の一撃を寸前で気付いて念動力を使って何とか止めようとしたのだ。その結果、山刀は彼女の急所を逸れたが、左手首を切断して血が噴き出した。


「い……痛いっ! 痛い! 痛い! うわあぁぁぁ!!」


 彼女は苦痛のあまり叫び声を上げた。そして、神代が追撃しようとした瞬間、彼女は念動力を使い彼を吹き飛ばし距離をとったのだ……。


「あぁ……い……痛いよぉ……うぅ……」


 美玲は苦痛に顔を歪ませながら涙目になり傷口を手で押さえ地面に落ちた左手首を見詰めていた。すると、神代はゆっくりと立ち上がりながら口を開いたのだ。


「どうやら、お前は痛みに対して弱いみたいだな……」


 神代はニヤリと笑いながらそう言うと、美玲はキッと彼を怒りの形相で睨み付けた。


「よ……よくも僕の手首を……!! 遊びは終わりにして、お前をメチャクチャにしてぶち殺してやる!!」


 そう言うと、怒りで我を忘れたのか力を神代に行使したのであった。そして、吹き飛ばされた彼の体は壁に勢いよく激突し、そのまま床に倒れたのである。


「ぐはっ……!」


 彼は口から血を吐き出して悶絶していた。そんな様子を見た彼女は残虐な笑みを浮かべたのである。


「いい気味だね~~。さてと、どうやって殺そうか……」


 そう言うと、神代に近付いて行ったのだ……。そして、彼の体を念動力を使って宙に浮かせたのである。


「な……何を……!?」


 彼は苦しげな表情を浮かべながらそう問いかけると、彼女はニヤリと笑った。


「ヒヒヒ……お前の手足を引き千切ってから、ゆっくり殺してやるよ!」

「ま……待て!! やめろぉ~~!!」


 神代は必死に叫ぶが、美玲は聞く耳を持たなかった。そして、彼女の念動力が発動し、彼の手足を引き千切ろうと力を込めたのであった……。


「う……うがぁぁぁ~~!!」


 彼は苦痛の悲鳴を上げるが、美玲は容赦なく力を込めた。すると、両腕を途方もない力で引っ張られブチッブチッという音が鳴り神代の腕が引き千切れたのである。


「ぐわあぁぁ!! う……腕がぁぁ……!!」


 両腕の付け根から鮮血が噴出し、神代は苦痛のあまりに叫んだ。そして、美玲は続けて両脚も引き千切ろうと力を込めたのである……。


「ウハハハ! もっと泣き叫べぇ~~!! 今度は足を千切ってやる!!」


 美玲は狂気に満ちた表情でそう叫ぶと、さらに力を強めたのであった……。

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