第2話 本当は
夏が「ん、あいつ居ないのか?」と辺りを見回した。
そこへ美菜子が「あ、夏。こんなところに居た」と夏を見つけて安堵していた。
夏が「僕は、あいつから解放されたんだね?」と美菜子に話し掛けた。
美菜子が「あいつって誰?」と夏に返事を返した。
夏だけが、雅之の記憶があった。
夏が「だって、雅之だよ。雅之」と美菜子に話をすると、美菜子が「あー、それならもう、ちょっと前に亡くなったよ」と話を聞いた。
夏が「亡くなったって、雅之の事を今でも覚えているよ。何で?」と美菜子に驚いて聞いた。
雅之の妹の霞が来て「あれ?確か、夏さんでしたよね?いつも夏さんの話を聴いて居ましたよ」と夏に素朴に微笑んでいた。
夏が「あの、初めまして。初対面だと思うので挨拶します。僕は、夏。あなたは?」と霞に聞いた。
夏の後ろを指差した。
美菜子が「ゲ、そんなところに?」と夏の事を見つめていた。
夏が「僕の後ろに?」と霞の問いに驚いて聞いた。
雅之が「おいおい。お前、俺の声が聞こえるか?」と他所から聞こえてくるのか頭から声が聞こえてきた。
夏は「僕の頭から雅之の声が聞こえて来たよ。まさか、こんな事になるなんて」と雅之に尋ねた。
雅之が「ああ、あの後、車にひかれて、俺は意識を失って、夏の頭に声を宿す事ができた。でも、俺はもう居ない」と夏に気持ちを伝え始めた。
夏が「僕のことを気になって居たの?あんなに僕っ子が嫌いだと言っていたのに」と雅之に返事を返した。
雅之が「あ、あの時は悪かった。でも俺は、夏の真面目な考えとか、まっすぐなものの視点をしているところが好きだった」と夏に告白をした。
夏が「もう、死んでいるんでしょう?僕は、雅之にこんな事言われたことがなかったから、びっくりしているよ」と雅之に話し掛けた。
雅之が「お前が幸せになったら、俺は成仏出来るんだ。それまでお前の頭の中に居てもいいか?」と夏に聞いてきた。
夏は「うん、良いよ。僕の幸せを見届けてね」と雅之に声を掛けた。
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