第107話

「サーシャさん。しっかりしてください」

「うぅ・・・。トキノリ様?安心してください」

トキノリは撃たれた部分を確認する。

着ていた服に穴が開いているだけで血は流れていなかった。

「怪我してない・・・?」

「当然です。防弾チョッキを着ていましたから」

そう言ってサーシャは顔を歪めつつも立ち上がった。

「制圧は終わりましたね?」

「はい。全員を拘束しました」

トキノリがサーシャのことを気にしている間に護衛チームは仕事を完璧にこなし誘拐犯達を拘束していた。

「はぁ・・・。何事もなくてよかったです」

「貴方も怪我はないですね?」

サーシャはマリーに確認する。

「はい。怪我はありません」

「そうですか。巻き込んでしまってすみませんでした」

「いえ。こうして助けにきてくれましたし」

「トキノリ様。ご提案があります」

「何ですか?」

「彼女は今後もこう言った輩に狙われる可能性があります」

「そうですね・・・。その可能性はありますね」

「なので、新部署を立ち上げませんか?」

「新部署ですか?」

「はい。彼女の仕事ぶりは確認済みですので採掘部門を新たに作って任せようかと思うんですけどいかがですか?」

「採掘部門ですか・・・。悪くないですね」

「では、決定ということで」

「あの・・・。どういうことですか?」

マリーはいまいち状況を把握できていないようだ。

「貴方をユーリ運送会社にスカウトします」

「へっ・・・?」

「待遇面も補償しますからどうですか?」

「私なんかでいいんですか?」

「マリー。うちの会社に来るのは嫌かな?」

トキノリは駄目押しにそう提案する。

「いえ。喜んで行かせてもらいます」

「では、今後ともよろしくお願いしますね」

「トキノリ様。採掘部門を作るにあたり許可をいただきたいことがあります」

「なんですか?」

「1人だけというのもあれですから、目をつけていた人も雇っていいですか?」

「構いませんよ」

「ご許可いただきありがとうございます」

トキノリ達が今後の話をしていると外が騒がしくなる。

「どうやら星系軍の方も到着したようですね。犯人達を引き渡してきてください」

「了解しました」

「さてと・・・。残りの方々はわかっていますね?」

「わかっています」

そう言って残った面々が部屋を物色しはじめた。

「何をしているんですか?」

「黒幕が誰かわかっていませんから。それに繋がるような何かがないかと思いまして」

「なるほど・・・」

トキノリとマリーは作業をしている面々の邪魔をしないようにじっとしているしかなかった。

「トキノリさん。助けにきてくれてありがとうございます」

「いえ。巻き込んだようなものですから・・・」

「それでもです。本当にありがとうございます」

マリーはそう言って何度もお礼を言ってくるのだった。

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