二つの意味で"てんせい"したんですけどこれから頑張って生きたいと思います。

鈴奈

第一話 いつも同じ

 鳥の囀ずりの音で目が覚めた。


 足の指の先が寒い。靴下、、履き忘れたかも、。

 嫌な気分で下に降りだらだらと学校に行く準備をする。


 学校は好き。でもこんな朝早くに家を出たくない。9時位でいいのに、。


「いってきまーす」


 全ての準備を終え、気力のない挨拶をする。


「いってらっしゃい。気をつけてねー」

「はーい」


 遠くから聞こえるお母さんの声に私は返事をする。


 いつものように隣のおばさんに挨拶をし、いつものようにむかいのねこのララと会話をする。



 いつもと同じ。つまらないなー。


 私は最近刺激がほしくなってきた。宝くじに当たる。ネットでバズる。給食でファミ○キがでる、。そんな刺激が欲しい。


 そんな事を考えているとあっという間に学校に着いた。


「おはよー」


「はよー」


 私の一番の親友優乃と挨拶をする。優乃は性格よし頭も顔もいい、運動もできる。パーフェクトな人間、、。優乃は自分では全然ブスだっていってる。どこが、?すっごく整ってて私にとったらめちゃくちゃ羨ましいよ、。


 それに比べて私は悪口言っちゃうわいつもと赤点ギリギリだわ、跳び箱5段しか飛べないわで最悪だよ。できるのと言えばアニメ鑑賞だけ。特に異世界系はよくみるなー。あんなところに生きたい。さすがに妄想がすぎるけど(笑)



 あ、自己紹介してなかったっけ、?ごめんごめん。

 私は柚花つむぎ


 高校二年生の平凡な女の子。



 放課後、私は優乃と図書館に行く約束をしている。

 歩いていて優乃とたくさん話した。


「今日のテスト何点だった?」


 優乃は


「86、、今回あんまよくなかったんだよね、、」


「えっ!?86すごいって!?私なんて45だよ!?」


 私は急に大きな声でそう言った。でも優乃はそれに対して呆れて


「それはつむぎが図書館で勉強せず絵本読んじゃうからじゃーん(笑)」


 ぐぬぬ、、、確かにそうだけど、、。だって勉強は頭に全然入らないんだもん。絵本はスッと入ってきて本なしで朗読できちゃうんだもん、。


 そんなことを話していると


「危ないっっ──」


 優乃の声が聞こえたと同時に車のクラクションがなった。


 もしかしたら私轢かれちゃうのかな。


 私の予想は的中したのかその後意識はなくなった。



 優乃、、、優乃だけは生きてて。死ぬのは私だけでいい。優秀な優乃が生き残るべき。お願いします神様。


 直後。


 私には一つの白い光が見えそこに向かった。そこに何があるのかはわからない。でも一つの希望なんだ。


 まぶしい───



 ▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷



「う、うぅーん。、」


 目が覚めた。ここは、?ぼやけて見えない、。

 私は目をこすり辺りを見渡した。野原、?


 私の目に映ったものはすごく広くどこまでも続く野原。

 まるで別の世界のように空気が澄んでいる。


 まさか本当に異世界に来ちゃった、?


 そんな疑問を持ったとき私は気づいた。私の隣に誰かがいてその人と手を繋いでいることに、。


「あ、あの。起きてください、。」

 とりあえず声をかける。


「ふあああ。ん?なぁに、?」


 彼女はきょとんとした顔で私を見て


「ってだれっっ、!?私たち手、繋いで、。ほんとにだれ!?」

 彼女は声を荒げた


「そっちこそ誰ですか!!」

 私も彼女に聞いた。そしたら彼女は


「私は優乃です。確か事故に遭ったはずなんだけど、目が覚めたらここにいて。貴方は?」


 私はその言葉を聞いた瞬間息を飲んだ。こんな奇跡あるんだ。


「優乃っ!?優乃なの!?私!つむぎだよ!!!」


 私は咄嗟にそう言った。そしたら優乃


「えっえっ。つむぎ!?ほんと?奇跡!」


 って言って泣き出しちゃった。私ももらい泣きして二人で泣いた。

たくさん泣いて、落ち着いてから。私達は話し始めた。


「でもやっぱり見た目は違うんだね。」


 私がそう言うと優乃はコクリと頷いた。優乃はサラサラなロングヘアーで暗めの紫色をしている。それに胸、、、も正直言うと大きい、。そんな事を考えていると優乃が


「つむぎは髪の毛ショートなんだね。来てる服もズボンで。随分男の子っぽい格好だね、?」


 優乃がそう言ったとたん私は気づいてしまった。


「あ、ある、。」


「え?なにが」


 優乃は不思議そうに首をかしげる。そんな優乃に私は言う


「わ、私。男、、なのかも、」


 優乃は口を手で隠して動揺している。


 でも一番ビックリなのは私だよ。え、事故って転生してそこで転性、?

 そんなの最悪、、


「そ、そんな。つむぎごめんね」


 優乃は謝らなくていいのに。今めちゃくちゃ泣きたい。でも気持ちを圧し殺して私は言った


「ううん。男も女も対してかわらないよ!!全然大丈夫!!そんなことよりちょっと周り散策しようよ、!この世界で生きていかなきゃいけないんだし!!」


 そう。生きていかなきゃいけない、、。この世界で、この体で。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

二つの意味で"てんせい"したんですけどこれから頑張って生きたいと思います。 鈴奈 @yuzubanahani82

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ