骸骨島の殺人
歌月 綾
プロローグ
純黒の夜。怪鳥の黒い鳴き声が鳴り響いている。
私の肌を潮風が優しく撫でた。
いつまで待っただろうか。この時を。
いま、私の計画は成功した。私が何年もの時を経て完成させた計画が、いまこの瞬間に成功したのだ。非常に長い時間だった。
私は一帯の岩をくぐり抜け、丁度足場になりそうな大岩を発見した。
泥に汚れた腕を振り上げ、大岩にしがみつき、ゆっくりと登った。
その時だった。
「あぁ……」
体を溶かし尽くしてしまいそうなほどに、月が輝いていた。白い光を纏う彼女の姿はまるで、私の心に共鳴し、祝福しているかのようだ。
月光が私の体を照らし、包み込んだ。
審判は、下された。
奴らは結局、罪を思い出したのだろうか。
今となっては無駄だと分かっていても、少しでも自分の犯した罪の正当性を出そうとしてしまった。
ここに来るまで、本当に長かった。いくつもの年月を耐え忍び、私はこの瞬間をずっと待っていた。
優子。私はやっとこの場に立てたよ。
そっと、彼女の名前を呟く。
当然、返答は無かった。
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