第111話

この間買い出しに行ったときに見つけた、ちょっと高めのそれ。




紛れもなく君のためだけのコーヒーだから。


味見はしてないけど、美味しいに決まってる。




「飲んでみる?ほんとにうまいよ」




そんなに好みの味だったのか、多少声が弾んでた。


珍しい。




でも残念ながら私はコーヒーが飲めない。




「ううん、苦手なの」




昔からどうしても味がダメ。


苦くて舌がおかしくなりそうに感じるし、夜も眠れなくなるから。




だから口にしないって決めてた。






なのに、その日。


思いがけず味わってしまった。






意地悪なくせにとっても優しい、


君がくれた苦いキスで。

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