第24話

どうやらこのお客さんは、意地でもうちでコーヒーを飲んでいくつもりみたい。


帰ってくれそうな素振りも微塵も見せないし、さてどうしたものか。




私は微笑み続けながら考えていた。




すると、




「あ」




不意に閃いて、思わず声に出てしまった。




お客さんは訝しそうな視線を私に送る。


でもそれはさらっと無視して、




「少々、お待ちください」




私はカウンターから出てお店から直通している階段を上った。




この間たまたま貰ったあれが、確か自宅キッチンにあったはず。


私は苦手で飲めないから、知佳さんが来たらあげようと思ってたんだけど、すっかり忘れてた。




私はそれを取りに2階に上がり、冷蔵庫から取り出すとすぐに階段を降りて戻った。




そして、




「どうぞ」




とん、とカウンターに置く。

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