正太郎

第1話

熱い。




身体が燃えるように熱い。






どうやらまた熱が上がってしまったみたいだ。






二十帖の広い和室の真ん中で、ひとりで眠るのにはもう慣れていた。




でも、なんとなく寂しいのは僕が病気だからだろうか。




「……こん、こんこんっ」




全身を揺らすような苦しい咳が止まらない。




ひゅー、ひゅーと聞こえるのは自分の呼吸の音だ。






布団の中で何度も寝返りをうって寝苦しさをまぎらわせるけど、息をするだけで辛い。






早く治まれと願いながらただひたすらに耐えていた。

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