第18話

走るのがおもしろくて仕方なくなった俺は、先生が走るときにはジャージに着替えてお供をするようになった。




「ふっ、ふっ、ふっ、ふっ」


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」




今日も息を弾ませて、先生の後を走る。


相変わらず後ろから見てもぽよぽよの巨体が、嘘みたいなスピードで駆けていく。


その少し後を軽やかに追い掛けた。




あぁ、良い天気だな。


もうすぐ梅雨なのに、なんか嬉しい。




最近ではそんな些細な発見をしながら、走っていた。






ふと、思い立った。




俺は少しずつ速度を上げて先生との距離をつめる。




横に並んで暫く並走してから、一思いに追い抜いた。




先生は別に俺が後ろにいようが前にいようが関係ない様子で、自分のペースを保っている。




でも俺は、




「あ……」




気づいてしまった。

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