第2話

名前は与えられなかった。




愛情を受けたこともない。




それがどんなものかもわならない。






そもそも、そんなものが存在するのか分からない。






人間以外のものには人にしか見えないだろうその子どもは、人からは人として見られることはなかった。




それは、その色を持って生まれた瞬間に定められていた運命か。






夜が待ち遠しかった。






夜空に瞬く星々は、まるで会話を楽しんでいるように見えた。




耳を澄ませるように、毎夜彼らを見上げて過ごした。






そんなことが、子どもの唯一の楽しみだった。

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