第2話 「庭」システムと宇宙敵



 とある研究者は「宇宙敵」を観測した。


 「宇宙敵」は宇宙人だ。


 その宇宙人は、この世界を狙っている。


 宇宙人の暗号通信を傍受し、解析した結果を見て研究者はそれを知った。


 暗号では、もうすでに先兵がこの世界にやってきていることが読み取れた。


 だから、とある研究者はこの世界を守るために策を講じる必要があった。


 幸いなのはその研究者が天才だった事だ。


 その研究者は数年で、たった一人の犠牲で世界を守る「庭」システムを作り上げた。


 たくさんの人が、とある研究者の成果を喜んだ。


 これで世界が守られると、誰もが想像した。


 とある研究者は外敵の存在と「庭」システムを公表する準備を始めた。


 しかし、それらの情報は、人々に知らされなかった。


 その前に、研究所は「宇宙敵」の先兵に壊されてしまったからだ。


 生き残った研究者の一人は、かろうじて「庭」システムを起動させたが、すぐに命を落としてしまった。


 そのためその世界の人間達は、「宇宙敵」の存在も、「庭」システムのことも、長い間誰も知らなかった。


 「宇宙敵」の先兵は様々な小細工を使い、この世界を侵略する準備を始める。


 世界はほんの少し枯れ、病んでいった。


 しかし、その侵攻速度は微々たるものだった。


 だから「宇宙敵」は誤った「庭」の情報を公開し、人々を先導したのだった。


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