2/3 足元に映るもう一人の自分
目の前には
果てしない青と白のコントラストが広がっている
遠くに浮かぶ雲も足元の水面に映り込み
自分がその雲の中を歩いているような感覚になる
水面に揺れる自分の影は
時折幻想的に形を変え
まるで鏡の向こうの世界に引き込まれそうになる
この鏡のような景色は
地球の特異な条件が重なった奇跡そのものだった
標高約3700メートルという高地にある塩湖は
雨季の間に薄い水をたたえるが
その水が空気の澄んだ環境と相まって
完全な反射を作り出す
これ以上の条件は地球上に存在しないだろう
その奇跡の中心に
自分が
立っているという事実が
静かに
胸を熱くする
風が吹き抜けるたび
遠くの水面がほんのわずかに揺れる
その揺れが
また新たな模様を描き出し
自分が
この瞬間に確かに生きているという実感を
与えてくれる
塩湖はただの場所ではなく
時を超えた
神秘の舞台だ
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