第7話

「知っておった。

薄々とだがな。


お前達が現れて、


確信した」




最初に成光が

疑問に思ったのは、


福助は本当は福助という

人間ではないと、


気付いたからだった




それは、遠い昔の事――




あの男の本当の名を

自分は知っている――




あの男から漂う忍びの血



そして、昔から度々、


福助の行方が

分からない事が有った




あの男は時々、


自分の前から

急に姿を消す――




それら全てを重ね合わせて、


出た答えは

あの男が間者かもしれないという事だった




そして、


間者と確信していた

雪やこの松という女とも、


何か関係が有りそうだと

感じた――

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