第9話

地面に俯せに倒れ込んだ

竹文の右手の掌には、



先程迄、


彼が握りしめていた

赤い石が


その存在を教えるように

赤く強く光っていた




成光は、何かの強い力に

惹かれるように


その赤い小さな石を

拾い上げると、



それをそっと

自分の懐にしまった





「帰るぞ」



横でその光景を

黙って見ていた福助が、



成光のその声で

ハッとしたように


顔を上げた

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