第413話

こっそり出て行こうと

思ったが、


玄関でお母さんに

呼び止められた




「咲、こんな時間に

何処行くの?」




「あっ、七海の家…」



私はとっさに、

幼なじみの女の子の名前を出していた



七海の家は直ぐ近所なので、

この時間でも、

あまり引き止められる事は無いと思ったからだ



だけど、高校に入ってからは、


私は七海とは

あまり交流が無いが、


お母さんは多分それを

知らないだろう





「そう。

遅いから早く帰って

来なさいね」



お母さんはそう言いながら、私の鞄を見ていた



その時、着替えや色々と荷物を詰め込んでいなくて、

良かったと思った



もしそうなら、

怪しまれていたかもしれない

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