第382話

幼い頃からの母親に対する、

恨みや憎しみは、

母親一人を殺したくらいじゃ

収まらない



もっと殺せ…



俺の中の悪魔が、

そう囁く





一年前から、

夜な夜な出歩いて、


女を殺しては、

それを忘れた



忘れてしまうと言う事は、

どこかでは、

その行為に恐怖を覚えていたからだろう



自分のしている事が、

とても異常で有ると

分かっていた



俺は、平凡な幸せを

望んでいて、


未来を失うのが怖かった





俺が殺したんじゃない



アキラが殺したんだ




だけど、アキラは、


普段平然と笑って

過ごしている俺を、


嫌っていた




自分だけ、

すぐ忘れて楽になって…



俺はお前なのに…



どちらも、お前なのに…

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