短い逃亡 (涼)

第302話

目の前の視界が、


まるで霧が晴れて

行くように


ハッキリとして行く



目に映るそれが

現実の物では無いのでは

ないかと思う



最初に感じたのは

驚き、


そして、

恐怖に変わって行く





「…嘘だ…嘘だ…ろ?」



手がガタガタと震え


右手に何かを

握っているのを

感じた



恐る恐る自分の右手に

視線を向けてみると


それは俺に何かを伝えるように

光り輝く



自分の右手は

赤く染まっていた



右手だけじゃなく、

着ていた服すら

赤く汚れている

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