第282話

その日、家に帰って来てから、

涼に電話をするかどうか、


ずっと迷っていた



だけど、何度考えても

答えは同じ



掛ける事は出来ない



愛美が今どうしているのか、

もう分かっているからかもしれない



もし涼にそれを聞いたら、

今の彼は嘘を付かずに、

包み隠す事なくその事を

話すだろう



もう、知りたくない…



そう思いながらも、

私は愛美の携帯電話に

電話を掛けてみた



無駄なのは分かっている



なのに、

愛美の携帯電話が

圏外なのを知って、


凄く胸が苦しくなって、


声を出して泣き喚いた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る