第258話

俺は、右手でヒップバッグのチャックを開けると、


サバイバルナイフを

取り出した



中山正子は

異変に気付いたのか、


俺から体を離した





「先生、駄目ですよ。

生徒にそんな事したら…。


だから、殺されて当然ですよ」



俺はゆっくりと

立ち上がると、


中山正子を蔑むように

見下ろした





「柏木君…」



中山正子は虚ろな目で

俺を見ていたが、


直ぐにサバイバルナイフが目に入ったのか、


彼女の顔は、

一瞬にして恐怖に

満ちていた

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